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奉執将軍がやってくるという話は、光の如くスピードで奉勝将軍の領域を駆け巡った。噂が噂を呼び、またあらかじめ仕掛けられていたスパイたちによって、さらに噂に尾ひれがついていた。
岩屋が関所を超える頃、すでに噂は1個大隊の人造人間がやってくるだの、数千両の戦車がやってくるとか、宇宙人と結託しているので、抵抗してもすぐに奉執将軍が勝つという話だとかだ。
「……なんだか、恐ろしいことになっているようだな」
岩屋は、馬にまたがり関所を超えていた。その間、ライタントに岩屋がつぶやいた。




