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岩屋たちが奉勝将軍領へ到達するのに、そう時間はかからなかった。テロリストやスパイと言った人たちは、岩屋の善政によってその求心力はそもそもなかった。それゆえに、何回テロが起きようと、それが人心を握るということは無かった。これは、ひとえに岩屋の政への感性が、領民の感性と一致したということだろう。
しかしながら、それに対して、奉勝将軍は弱かった。それゆえに、奉勝将軍領の領民から歓迎を受けつつ、岩屋はその領内へ足を踏み入れることができた。関所のところからしてそうなのだ。これからどのように動くかは、察しがつくというものであろう。




