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ヒカイロネは、なにやら嬉しそうな表情を浮かべている。どうやら叱責されるのではないかと恐々出頭してきたようだ。
「それはですね、シャホールという字義からみても、おそらくは明らかでしょう」
「ほう、シャホールと言うのは、造語ではないのか」
岩屋は、おもわず聞き返す。初耳だったからだ。一応は、向こうの世界のロボットのようなもの、そんな感覚ではあったのだが、どうやらそれ以外にも意味があるらしい。
「はい、造語です。しかし、これを単語に再編成して考えると、シャホールShalrhoorは3つの単語、シャリShall、ルホーRhor、オルOrから成り立っています。シャリは共栄や共存という意味を、ルホーとは人形という意味を、オルというのは接尾語で人や命持つものという意味を。これらを合わせると、共栄する命持つ人形という意味になります」
ヒカイロネは、何やら嬉しそうにしながら、綴りまで書いて説明してくれた。どうやら、漢字以外の文字も、この世界にはあるようだ。岩屋はむしろそちらの方に興味を持ったが、それは後回しとした。




