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岩屋がライタントからの報告を受けて、承認した計画と言うのは、シャホールを主体としたものであった。そもそも、現在のシャホールは、この世界でこれまで書かれていた小説中に出てきたような、二足歩行をして、人類を滅亡させるようなものではない。むしろ、人類との共存共栄を図るような設計になっている。
「すまないが、直接聞きたいことがあるから、ヒカイロネを連れて来てくれないか」
岩屋は、報告書のあるところでピタリと読むのを止め、顔を挙げてからライタントにお願いをした。ライタントはすぐに、と答え、執務室を後にした。
「……まったく、彼女はおもしろい」
岩屋は、報告書に書かれているヒカイロネの提言を受けて、なにやら面白がっているような、笑顔をしていた。




