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選挙がおこなわれる日、奉葎将軍領は、厳戒態勢になっていた。代行補佐は、戒厳令を布告し、軍や治安機関が一体となって、選挙のための治安維持に躍起になっていた。そのおかげか、テロや暴動の類は、ほとんど起こることは無く、なにやら緊張した面持ちで、どの投票所も混雑していた。
「締めきりますっ!」
腕時計をしている投票所所長の声が響く。この時計によって、全国一斉に投票箱は閉鎖し、開票所へと軍の護衛と共に動いていくことになる。そして、開票所では、岩屋特製の無線装置が据え付けられており、中央集計所へと連絡をとり、そこで集計を行うことになっている。
 




