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「これは?」
岩屋は受け取るとすぐに紙を一瞥する。内容は大体それで頭に入るのだが、それよりもライタントから報告を受けるほうが、しっかりと整理されていて分かりやすいのだ。
「予算です。ご覧の通り、一応は黒字となりました」
「黒字か、そうか。これでなんとかなりそうだな」
「何がですか」
ライタントが岩屋へと問い返す。岩屋はなにやら考えがあるようだが、それはライタントには分からないことだ。
「そうだな、君には知らせておこう」
それは、岩屋が思い浮かべている世界制服のやり方だった。




