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岩屋が語った、選挙の方式はこうだ。
立候補者は、見識豊かである30歳以上で、一定のお金を持っていて、今まで捕まったことがない人、なおかつ奉葎将軍領に生まれ育った人であること。投票をすることができる人は、奉葎将軍領に住んでいる成人であること。投票はそれぞれの里等で行うこととし、長が投票用紙や結果を、近隣の開票所へと持っていくなどなど。そのほか、様々な規定を、岩屋は作るようにと命じた。
「……分かりました。そのように致します。して、これはいつ頃行えばいいでしょうか」
「十分に投票という行為がどのようなものかが分かってからだな。今から1年半といったところか」
馬上で岩屋は簡単に考えて、代行補佐へ告げる。すぐに代行は敬礼をし、岩屋に言葉を返した。
「分かりました、これより1年間、周知に勤め、さらに半年が経過してから投票を実施いたします」
「うむ、任せたぞ」
岩屋は満足げにうなづくと、一行とともに関所を超え、奉執将軍領へと戻った。




