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岩屋は、結局、選挙という行為自体を知らせるというところから始めることにした。どうやら、そこからしなければならないらしい。そこで、1カ年計画として、奉葎将軍代行を置き、それを自身を任命した。
「1カ年後、閣下は代行の職を辞し、もとの奉執将軍のみの役職に戻られるのですよね」
「選挙が終わってからの話にはなるがな」
岩屋たちが奉執将軍の領地に戻ろうとして、境界線のところまで見送りをしてきた代行補佐という名目の、奉葎将軍第一部下は、馬上の岩屋へと声をかけた。馬は、境界線である関所の中におり、あと数歩で奉執将軍領へと入るというところにある。
「その選挙とやらは、どのようにして行うつもりなのですか」
「そうだなぁ……」
岩屋は、今考えている構想を、第一部下へと語りだした。




