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213.
「……辞めるつもりはないのか」
「残念ながら」
銃の引き金に、岩屋は指をかける。それを見たラグであったが、なにも動こうとしない。
「そうか、残念だよ」
一気に岩屋は引き金を引いた。パン、という軽い音が、岩屋の銃から聞こえたと思うと、すぐにラグの眉間に黒い穴が開く。銃口から煙を吹き、それを空気中に何もせずに漂わせている岩屋に対して、ライタントとラグの部下は、すぐに倒れたラグへ駆け寄る。
「何をするんですっ」
ラグの部下が、膝を床につきつつ、岩屋に向かって叫ぶ。岩屋は、さも当然の雰囲気で、言い返した。




