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後ろで扉が閉まる音を聞きながら、岩屋は案内に応じて歩き続けている。土の部分を抜けると、床がタイル張りの玄関へとたどり着く。そこにあるゆるい角度の巨大ならせん階段をゆっくりと歩くと、2階へと着いた。そこからさらに歩き続け、一番見晴らしがいいところへと着く。
「お付きの方々は、外で待っていただけませんでしょうか」
「待っておけ」
ここまで付いてきた兵たちに命ずると、執務室のすぐ前の廊下で、突撃体制を整えつつも岩屋の命令に従った。いつでも入れるぞという威嚇でもある。そして岩屋はライタントとともに、1年以上ぶりに奉葎将軍と対峙することとなった。




