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206.
そして、いよいよ岩屋一行は、ラグが住む王宮の正門へとたどり着いた。
「たのもーっ」
ライタントが叫ぶ。王宮の中にいる衛兵が扉からひょっこりと顔を出す。
「何用だ」
「奉葎将軍に用がある。この扉を開けよ。我らは奉執将軍である」
「……かいもーんっ」
衛兵はあらかじめ言われていたようで、上に確認することなく、すぐに城門を開けた。
重々しい扉は、久しぶりにどうも開くようで、何やらこすれているギギギ…という音が聞こえてくる。岩屋はここで馬を下り、それを見習うようにして一斉に岩屋の部下たちも下馬する。
「行くぞ」
「はい」
ここからは岩屋を先頭になるようにして、すぐ後ろにライタント、さらに後ろにその他兵たちが付き従い、堂々と歩いて王宮の中へと入っていった。




