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岩屋は、いくつかの障害を乗り越え、いよいよ奉葎将軍の王宮がある直城へたどり着いた。岩屋は、どこの里でも都市でも大歓迎を受けていた。何かの罠かと思うほどに。
「……一体、どれだけ嫌われた政治をしているんだ」
「さて、将軍領の外に、他の将軍の噂は流れてくるのはあまりありませんからね」
2列編隊で岩屋たちは馬に乗りつつ歩いていた。岩屋のすぐ横にはライタントがいる。沿道はわーわーと騒いでいる民衆でぎっしりだ。新たな救世主の降臨の如く、岩屋は民衆たちから見て輝いているようだ。




