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198.
「実は……」
里長は、何やら言いにくそうに、話しだす。
里長の話を聞く限り、どうやら放火のようだ。それも、かなり計画的な犯行のような気がする。岩屋はさらに里長に尋ねる。
「犯人に目星は付いているのか?」
「ええ、この騒ぎ、2人ほど姿が見えなくなっておりますので、彼らかと」
「似顔絵を作り、周囲の里に配るのがいいだろう。おそらくは見つかることはあるまいが…」
岩屋は、既に犯人はラグから送られてきた人であろうという目星がついていた。ここまで執拗な対応をして、岩屋を追い出したいのだろう。それほど岩屋を恐れているということだろう。




