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188.
「皆の集、どうしたのだ」
事情はだいたい把握しているが、それでも一応民衆に尋ねてみる。岩屋のその姿に気づいたのか、はっとしたような表情で道を譲る。海が割れるように、人も割れていく。そして、一行は馬に載ったままで、壊れた橋の袂までやってきた。
どうやら木製のようだ。つり橋のようになっており、向こうとこちら側で完全に切れいていた。何枚かが紐に繋がれた状態で、どうにかこちら側につながっている。
「どうやら、紐が耐えきれなくなり、切れたようですね」
「あの……」
おずおずと、岩屋の傍へと、少女が寄ってきた。彼女の話を聞くために、一旦岩屋は馬から降りる。




