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187.
行軍をはじめてからしばらくして、奉葎将軍の領域にさしかかったころ。なにやら騒動が、道の前で行われているのを見つけた。
「どうしたんだ」
「偵察隊、行って来い」
岩屋が一行を止めさせてライタントに尋ねると、ライタントはすぐに近くの兵に命じた。3人1組で兵は走って見に行くと、なにやら慌てて岩屋たちのところへ帰ってきた。
「この先にある橋が落されているようで、進めなくなっているようです」
「それは大変だな。行くぞ、全員で直せばなんとかなるだろう」
岩屋は、馬を走らせて、その騒動のさ中へと歩を進ませた。




