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184.
岩屋がライタントを従えつつ、慌てて執務室へ向かいながらも報告を聞く。
「奉葎将軍は何と」
「内乱がおこったようです」
「内乱?」
岩屋は、何かおかしいと思った。今まで内乱がおこりそうな気配は、何もなかったからだ。それだけではない。報告によれば、領民に何か不満がたまっているという様子はなかったのだ。それなのに、急な内乱騒ぎ。これはきっと、裏がある。そこまで岩屋が考えてから、ライタントに尋ねる。
「規模は」
「数千人から数万人だそうです。なにやら、弓も剣も、かなりの数のようだと」
「そうか」
岩屋は、そこまで聞いてさらに考える。どうするべきかと。




