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173.
「スイッチを入れるぞ」
岩屋は、ライタントに言ってからスイッチを押す。ゴウンゴウンと音を立て、さらにギュイィンと騒がしくもなりつつ、初めてのコンピューターは稼働をはじめた。
「…これは、人類にとって大いなる一歩となったであろう」
「ですね」
岩屋の言葉に、ライタントは簡単に返した。コンピューターは、初めての起動に際して、あらかじめ定められたプログラムが自動的に走っている。そして、一枚の紙を、結果を出すアウトプット口から吐き出した。
「何と書いてある」
岩屋はその紙に書かれた内容を、ライタントに読みあげさせた。
「“Hello World.”と」




