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「まだまだ、時間がかかりそうだな」
岩屋は、現在の研究結果を見ながら、自身の研究室でつぶやいていた。今は、細胞を観察している状態だ。それも、岩屋が昔いた世界では小学校で使っていたような、倍率が高くて50倍ぐらいの顕微鏡だ。今はこれで我慢をするしかないと、岩屋はあきらめていた。だが、それと並行する形で、高解像度のモニター開発も一般で始まっている。この技術は、もちろん岩屋が提供しているものだ。他将軍領と差を持たすためには、科学技術と強い軍、そして明確な意思が必要だと岩屋は知っている。その明確な意思をもって、研究は続いていた。




