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「……こうやって、空を飛ぶことになる」
誰からも見張られていないということを確認してから、岩屋はヒカイロネ、ゴアフラ、それにライタントに事細かに航空機の説明をしていた。この時代、まだ電話という技術は未発達で、盗聴器は夢のまた夢という品物だった。なので、密室で、防音室であれば、中にいる人から漏れない限り、秘密は漏れることはなかった。
「この世界でも、それを作れると」
「思っている。実現は可能だと」
ゴアフラからの質問に、正直に岩屋は答えた。そのための計画は、すでに岩屋の頭の中にあった。




