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岩屋がシャホールの量産体制を整えるという話は、すぐさまさまざまな将軍へと伝わった。当然、奉勝将軍の耳にも入っている。
「…なるほどな、金のために量産することになったのか」
奉勝将軍はその執務室で部下から報告を受けていた。岩屋の研究室の一人を抱き込み、スパイにして、内情を報告させているのだ。そのせいか、伝わるためのラグはあるが、研究室の内容はほぼ筒抜けであった。無論、岩屋はライタントからの報告でそのことを知っているが、今は放置している。最も重要なところは隠していた。そのことを、奉勝将軍は知らない。




