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腕が動くと、地面と水平になるように両腕が上がる。それから目の部分であるところのライトが点滅し、緑色の瞳風のライトが光る。全身がわずかに震え、それから軌道が完了したようで、緑色が常灯する。
「起動完了のようですね」
「うん。では動かしてみて。3歩ぐらい」
ヒカイロネに岩屋が命じる。手元の装置を触り、右足、左足、そして再び右足と動かして見せた。順調に動いている。それを見て、岩屋は満足そうにしていた。
「これなら、何とかなりそうだな」
「これからの計画はもう考えておられるのですか」
ゴアフラが岩屋に尋ねる。
「ああ、彼らを量産する」
「……それには、独立駆動が可能なバッテリーなどが必要になるでしょう。それでもしますか」
「ああ、しよう。徐々に民生利用も進めていけば、調達費用も抑えられるだろうし」
岩屋はさまざまなリスク、費用などを一気に頭で計算しながら話した。




