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出撃部隊は速やかに滑走路横へと集結した。そして、航空参謀が滑走路に仮設で作られた演説台へと昇り、訓示を行う。
「ここに集った者らは、ここに集うべくして集まった。それは運命といってもいいだろう。私たちは、今、ここに敵を攻撃するためにいる。敵とは、岩屋国王に反する者らのことだ。すなわち、護王将軍らのことである。彼らは、国王に楯突いている。彼らと対峙し、彼らの心の奥深くに至るまで、その五臓六腑、全身に我々の恐怖を刻み付けることが目的だ。我々は同じものに属している。それは国王陛下の忠誠である。陛下が我々のことを思うのと同じほど、我々も陛下へと真心をささげることとなる。それが如何程の力になるのか、彼らは知らぬ。ここで、我々は彼らへとその力を見せつけなければならない。行かなければならない。たとえ、前に崖があろうとも、罠があろうとも、敵がいようとも。我々は、常に、進まなければならないっ」
その訓示は、最後は絶叫調になり、航空参謀は一息つくために呼吸をする。吸って、それから吐いた。また吸ってから言葉をつなげていく。
「我々がいる意義は、それだ。人を殺める我々は、楽に死ぬことはできないだろう。だが、それがどうした。陛下が我々を思うのであれば、それくらい、どうてことはない。我々が求められているのは、ただ一つ。敵を殺すということだけだ。我々はそのために飛行機に乗り、飛行機を動かし、飛行機を整備し、飛行機を使う。すべては、陛下のためにっ」
訓示は、最後にはただの岩屋個人への賞賛、そのうえにある崇拝へとつながっていた。だが、それを指摘する者はいない。誰もが敵を屠るというそのことを目的としてここにいた。訓示が終わると同時に、出撃のためのサイレンが、滑走路全域に鳴り響いた。




