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1312.
「いろいろさ。あちこち連れまわされているんだからな」
「ふんふん」
ビールを飲みつつ、彼は相槌をうつ。
「護王将軍ってのはどうなんだ」
彼が話を振った。
「どうなんだろうな。会ったことないから知らんよ。ただ……」
「ただ?」
上等兵は自然と小声になった。
「そこに、国王の家族がとらわれているっていう話だからな。そこに行くまでこの進みは止まらんだろうさ」
「だろうな」
いわゆる暗黙の了解と言ったところだろう。下手をしたら、そこに行ったところで歩みが止まらないかもしれない。それほどまでに、岩屋はその子を大切にしていた。サザキの名前は、彼も知っていた。昔の放送を聞いていたからだ。




