1196/4333
1195.
その日は、明るい日だった。そう、未来には書かれることとなるだろう。わずかに涼しい風が吹いていることが、暖かい季節が終わりを告げそうなことを知らせる。だが、これからはより熱くなる時代が近づいていた。そのあと、無事に冬が訪れるかどうかは、誰も知らない。
今は平和だ。そう思いつつ、基地司令は滑走路となっている硬い岩盤の上を歩いている。その後ろには、副官が同じ速度で歩いていた。ふと、空を見上げる。何を感じ取ったのか、それを表に出さずに淡々とした口調で告げる。
「総員、第一種戦闘準備へ入れ」
基地司令の肩章を付けた男が、部下へと命ずる。護神将軍前線第一航空基地、その基地司令だ。




