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109.
「さて、何のお話をしましょうかね」
奉王将軍が岩屋とラグに向かって聞いた。それから、ゆっくりと奉王将軍は足を組んだ。まるで、どこかのテレビのアナウンサーのようだと、岩屋は単純に考えていた。奉王将軍は、ピシッとスーツのような服装をしていた。それが、キャリアウーマンだということを、真先に訴えかけている。まさに、岩屋が出会ったころの妻にそっくりだった。だが、岩屋は奉王将軍は妻ではないと言い聞かせ、平静を保った。
「私を殺す、とかおっしゃられておりましたよね」
奉王将軍が、先ほどの台詞とわずかに間を開けてから、話し始めた。




