法律相談
〇同、通路
松平、用紙を見ながらゆっくり歩く。
松平のN「最初の4ページほどに自己破産とは何か、和議とか整理とか
があるとか。免責にならなければ意味がないとか。権利制限とか詐欺
は免責にならないとか書いてある。6ページからが申請書だ。
俗称とか学歴とか結婚歴まで書かなくてはならない。重要なのが破産に
至る経緯と債権者一覧、財産目録とこの2か月の経理内容だ。各項目を
チェックしていくと、ほんとに今や自己破産しかないと納得した」
〇弁護士会館、外、
京都弁護士会館とある。
〇同、相談室、内
窓のない薄暗い個室。
机を挟んで渡辺弁護士と松下が座っている。
渡辺「まあ、弁護士に頼めば自己破産2件で50万円。会社の破産で50万円
計100万円は必要ですね」
松平「100万円ない人はどうするんですか?」
渡辺「会社のほうは後回しにして、資料をきっちり作って、御自分でなさる
しかありませんね。2件で5万円ほどでできるはずですよ」
松平「そうですか・・・」
渡辺弁護士、腕時計を見て、
渡辺「ちょうど1時間経ちました。何かありましたら事務所へお越しください」
渡辺弁護士、名刺を松平に渡す。
松平「ありがとうございました」
松平、名刺を見ながら扉を開けて出る。