授業料免除
〇亀山学園大学、外
亀山大学正門
〇同、学生課、外
学生課のプレートがかかっている。
〇同、応接室、内
学生課長と松平が話している。
学生課長「状況はよくわかりましたが誠に残念なことに
前期分は12月10日に締め切りました。次回は来年
3月になります。あと1ヶ月早ければ・・・」
松平、目をむいて、
松平「ええっ!死亡や倒産を三か月前に申しこんどかないかんかったのですか?」
課長「授業料延納届の時に先を見越して免除申請をされまして、支払日に
免除という形になりますが」
松平「そんな!先を見越してやなんて。急死とかとても見越せへんのとちがい
ますか?」
課長「申請は次回にされて当面は銀行か御親戚からお借りになるとか、
教育ローンなどあっせんしますが・・・・」
松平「あの、お恥ずかしい話ですが、国金も銀行も教育ローン目いっぱい借り
てますのやもうすでに・・・。何とかなりませんやろか?」
課長「休学してアルバイトでお稼ぎになって後期から復学するとか、なんとか
前期分を用立てていただいて次回申し込んでいただくとかしかありませんね」
松平、課長を睨みつけて、
松平「とにかく急な倒産で前期の授業料は払えません。資料を取り揃えて
学長様に直接お話に行こうと思っとります」
課長「そこまでおっしゃいますか・・・しばらくお待ちください。本人の
成績と他の奨学金枠ないか調べてみます」
課長、資料を持って出ていく。
松平、額の汗を拭き大きく溜息を吐く。