第34話 入れ替え戦2戦目 決着
(鍵谷)守れーーー 後15分ふんばれ!!
鍵谷がチームを鼓舞する 印西イレブンいや 一人減ってテンであろうか?
10人はほとんどがPA付近に集結して 守備陣形をひいていた
市川のお株を奪うような がっちがちの守備陣形 もう点は取る気が無いのは間違いない
相変わらず市川は鰻、林原、ぺぺの三人で攻めるが マトモにシュートが撃てない
林原もこれだけ密集してては ヒールリフトも使えない 一人抜いたところですぐ後ろに敵がいるからだ
(小原)葉瀬兄弟も行って!
小原がピッチ外から大声で葉瀬雅弘に指示を出す
その声を聞いた雅弘が大輔に声をかけ前線に向かう
鰻、林原、ぺぺ、葉瀬兄、弟の5人で攻めるが 一向に点を取れる気配が無い
(小原)まずい このまま延長戦になったら 攻めっぱなしの りんごさんや鰻さんの
パフォーマンスが落ちて 益々点が入りづらくなる この15分で決めないと、、、
外から決めきれないと見たりんごが ヒールリフトで強引に突破をはかる
が、印西CBは迷わずりんごのユニフォームをつかんできた
ぴっぴー
印西のファールでフリーキックだが PAの外 市川にマトモなキッカーが居ないのも
見越しての計算されたファールだ りんごにPAに入られると何が起こるかわからない
印西メンバー全員で申し合わせての作戦と見える
(小原)ん?りんごさんがみんなを集めて話しているな
アレをやるのか? アレは事前にみんなに話しているが 試合で使えるのは一回キリ
残り12分、、、 そうだな タイミングかもしれない
(林原)いきましょう 九蘇真面目さん 今しか無い
(九蘇真面目)でも 失敗したら終わるぞ?ヘタすると まだ早いんじゃ?
(林原)ロスタイムが理想ですけど そんなにタイミングよく またファールもらえるかわからないです
(松田)そうよね わかった やろう!マジメちゃん
選手は全員うんうんとうなずくと 全員ゴール前に走って行った
――――――――――――――駐車場 多門バスーーーーーーーーーーーーーーーー
(多門)うおおおおおおお 何してんの?お前ら まあたバカな事やってやんなあ
足ひきづってる家元君残して全員前行っちゃったら 死ぬだろ!!普通に
鍵谷にもたれて ドカーンじゃんか もうお前らホントバカすぎて 興奮するわ( ゜Д゜)
守備のブロックを作ってればまだしも 元日本代表の鍵谷相手に(走りながら)ディフェンスしたら
1体1を繰り返す事になる 鰻以外ついていく事すら困難な鍵谷を 走りながらディフェンスするなんて
至難の業 そもそも鍵谷に追いつけるスピードがある人間も鰻、林原、ぺぺくらいである
もしボールを奪われたら即死の大勝負に打って出る市川イレブン
キッカーは九蘇真面目 他のすべての選手はPA周辺に待機している
ぴー
審判の笛が吹いた 意を決して 九蘇真面目が ボールを蹴る
どーん
(多門)?????? どこ蹴ってんだ!! マジメええええええ
九蘇真面目は 誰も居ない 市川ゴールにめがけてボールを蹴った
センターラインを越えて てんてんとする ボール それを見るや否や 鍵谷含む
印西オフェンスがボールを追う
(鍵谷)何考えてんだ?が、何してきたとしても 先に触ってしまえば一点だ
鍵谷は猛然とボールを追いかける が、そこに走りこむ男が一人
(家元)あああああああああ 痛い痛い痛いいいいいいい( ゜Д゜)
家元が半泣きで猛ダッシュしてきていた そして痛めている右足でボールを蹴った
(家元)いてえええええええええ( ゜Д゜)
蹴った直後に悶絶して倒れこむ家元 ボールは低い弾道でゴール前に向けて一直線に向かっていった
鍵谷を含む 印西の選手が3人釣られて 前に出ている ゴール前は人が減って手薄になった
(松田)ナイス、絶対に決めるよ!いえもっちゃん
松田が少しバックしてボールに向かってジャンプする 印西CBも競りかけるが
松田が一瞬早く ボールにヘディングした
(松田)あ、まずい 少し浮いちゃった
ボールは印西PA左隅の方にふわふわと浮いていく
(林原)これは成功率38% 決めれなくはない
りんごは敵サッカーゴールポストに向かってジャンプ 更にポストを蹴って2段ジャンプをする
そして空中で反転して右足を伸ばす
(林原)スカイ ハイ バイシクル
どーん
空中で斜めに伸ばした右足で ボールを地面に叩きつけるような起動で打ち込む
少し斜めに歪んだ 変則オーバーヘッドだ 強烈なスピードで印西ゴールに飛んでいく
(印西GK) お前のシュートはビデオで研究済だ 打ち下ろしだから少し落下するように見える
フォークボールのような軌道で来るはずだ
印西GKは見えたボールの若干下に手を構える
ばちーん
印西GKにはじかれたボールは フィールドをてんてんとする が、そこに
(鰻)おおおおおおおおおおお
2列目から飛び出してきた鰻がダイビングヘッドをする 前半鍵谷にやられたのと同じ技だ
(鍵谷)あいつ 俺の技を、、、
どーん
鍵谷と同じようにゴール左隅に突き刺さる
ぴっぴー
審判の笛が吹く ゴールだ
(多門)うおおおおおおおお やった あいつらまたやりやがった( ゜Д゜)
バカとか言って悪かった お前らマジですげえわ
(鰻)おおおおおおおおおおおお
ゴールを決めた鰻が雄たけびを上げる 鰻にイレブンが抱き着く
勢い余って 松田が押し倒すと 松田が鰻のほっぺにキスをしまくった
’(鰻)うわあああああ 松田さんやめてください( ゜Д゜)
(松田)いいじゃない 貴方最高ヨ 大好き(*´з`)
(切山)じゃ俺もキスしてやろう( ゜Д゜)
そう言うと 切山もおでこにキスをした
(鰻)あああ もうマジでやめてえ( ゜Д゜)
歓喜に沸くイレブンだったが 小原がピッチ内に入ってくるのを見て冷静に戻る
(松田)あああ、いえもっちゃん
家元が倒れて悶絶していた 肉離れが再発 もしくは悪化したのだろう
小原が冷却スプレーをかけ 包帯で固定する 流石にもうプレーは無理だろう
(小原)大久保さん入りましょう
かねてから準備をしていた大久保がピッチに入る 家元は担架で運ばれていく
(家元)ううう、みんなごめん( ゜Д゜)
(松田)何言ってんのいえもっちゃん 絶対に勝つから安心して
(家元)ううう みんな後は頼むよ( ゜Д゜)
(大久保)あああ でも俺キーパーやったことすらないっすからね マジでおいらがやんの?
(九蘇真面目)あ、じゃあ 俺やります 手袋貸してください
小原が審判にポジション変更を伝える 九蘇真面目がキーパーになり
サイドバックの位置に大久保が入る
(小原)後はいつもの 全員ディフェンスで守り抜きましょう
(一同)おおっ
それから鍵谷中心に印西の猛攻が始まった
鍵谷は隙あらば ミドルシュートを撃ちこんでくる が そもそもミドルが得意じゃない鍵谷は
森岡のような 際どいところに中々打ち込めない
(松田)させないわよ
松田がシュートをヘッドで跳ね返す その後も次々攻めてくる印西
だが、フォワードと森岡を欠いて 明らかに攻め手を失った印西は 気力すらキープするのが
難しくなってきていた
ぴっぴー
ここで試合終了のホイッスル ピッチに大の字になって寝転がる印西イレブン
中には泣いてる人も居た 双方死力を尽くした名勝負だったのは間違いない
鍵谷がイレブン一人一人に声をかけると 鰻のとこに握手をしに来た
(鍵谷)最後のアレ 俺のやつパクっただろ?
(鰻)あ、ハイ 鍵谷さんが松田さんのステップの癖読んで 合わせて飛び込んでたので
あんなやり方あるんだって思って
(鍵谷)おいおい アレ モノにするのに5年かかったんだぜ? 数分でパクるの辞めてくれよ
(鰻)あ、いえ いい手本があったので ホント勉強になりました
(鍵谷)ま、とにかく来年俺らはまた必ずここに来るからな 次は試合しないで済むようにしてくれよ?
(鰻)あ、ハイ
そう言うと 鍵谷は鰻に背を向けて歩いて行った
(鰻)鍵谷選手 た、対戦ありがとうございました!!
鰻は大声で叫ぶと深々とお辞儀をした 鍵谷は背中を向けながら右手を上げ 軽く手を振っていた
(森岡)おまえええ 林原!! 覚えたからなああああ( ゜Д゜)
(林原)ようやく名前で呼んでくれましたか 負け犬君 ε- (´ー`*)フッ
(森岡)うきいいいいいいい お前絶対に許さないからな 次は必ずぶっ潰す
あんなヒールリフト あんなのちょっと練習すればすぐ看破できるんだからな
初見でちょっとミスしただけで ハメ殺しみたいなもんじゃんか
(林原)次は看破しようが無いほど進化してますけどね あれ まだ未完成なんで
(森岡)うぎいいい 言わせておけばああ( ゜Д゜)
ぎーぎー言う森岡をまた鍵谷が抱えて 荷物のように肩に担いで運んでいった
肩に担がれながらも まだ文句を言っている
(小原)ああ、よかった 勝ったんだ またみんなと仕事ができる
小原は涙が出そうなのをこらえていた 隣では家元がベンチで寝ながら大号泣している
彼らにとって地獄の一年が終わり また新たなシーズンに向けて 彼らの物語は始まる
第一部完
第二部につづく




