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普通のおじさんがプロサッカーチームの監督になる話  作者: dodongadondon


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23/35

第23話 入れ替え戦初戦 (後半戦)



―――――――――――――市川ミーティングルームーーーーーーーーーーーーーー


(家元)いいよ!焼ちゃん その調子


(鰻)あんな感じでいいんすかね? あんまり削れてる感じしないですけど


(小原)そうですね シミュレーションでも前半はあんな感じなのでダイジョブだと思います

で、データ上は後半になると彼は若干スピードが落ちるはずです


(家元)え?そうなの?


(小原)はい ほんの気持ちですが 彼は腰に持病があるらしく 90分走り切るスタミナはあるのですが

50分すぎたあたりから ほんの少し速度が落ちるのです

ですので このくらいの時間でもし鰻さんが 彼からボールを取って突破とかできるようであれば

彼の後ろにディフェンダーはいませんので


(家元)そうか 後ろが がらあきになる


(小原)そのとうりです ここが仕掛けるスイッチだと思います


(鰻)あ、じゃあ 僕がもし彼を突破できれば攻勢に出るって事ですかね


(小原)そうですね 点取らないとほぼ負けますし ここで行くしか無いかと

後は練習した作戦で 攻め切る感じです


(切山)うわーウマく行くかなあ 相変わらず無茶な作戦だしなあ


(九蘇真面目)まあ もうそういうの慣れてきましたけどね( ゜Д゜)


(家元)ようし じゃあ 焼ちゃんが勝つと信じて みんないくぞーー


(一同)おーーーーーーーー


(鰻)ええー 責任重大だなあ、、、


チームの士気はかなり高かった 切山や平木は力を込めて仲間とハイタッチをしていく

皆の気迫は十分で 躍動感を持ってピッチに出て行った

小原は今大会から観客席じゃなく チームスタッフとしてベンチ入りしている

応急のテープや消毒薬 サポーター等入ったバックを持って いわゆるメディカル担当である

まあベンチには控えの選手と小原しかいないので 実質監督ではあるのだが

そして 後半が開始する 印西ボールでのキックオフである



ーーーーーーーーーーーーーー実況ルームーーーーーーーーーーーー


(多門)おおっと 後半始まったねえ さてワンカップ開けちゃうかね?

不良実況とか言われても開けちゃうからね 趣味でやってんだから

で、やっぱ鍵谷にボール出すね印西は まあ他のメンバーだけじゃ 点入りそうにないからな

9人に減ったとはいえ PAに9人居るチームから点取るのマジで大変ですよ

市川は191センチの松田居る時点で ヘディング負けないからね 外からボーンって蹴って

頭でドン みたいなのも使えないし で、鰻は相変わらずしつこいねえ

鍵谷に前半から簡単にかわされてるんだけど まあ 抜いても抜いても 食らいついてくる

鍵谷より足速いからな すぐ追いついてくるんだよね そんでスタミナがアホだから まあしつこい

鍵谷は嫌気が刺したのか 鰻に当ててコーナーキックとりましたね

で、鍵谷が コーナー蹴って うーん ハイ松田の勝ち

やっぱコーナーじゃ松田居る限り無理だなあ どうやって点取るつもりなんだろうね?


(鍵谷)くそ ダメか


鍵谷がつぶやく まったく攻める気無い 市川にやりたい放題なのだが とにかく点が入りそうな

シチュエーションにならない そして市川ボールで開始するも


        どーん


ゴールキックで家元が鍵谷に直接蹴りこむ 鍵谷が受けるとそこに鰻が飛び込んでくる


(鍵谷)クソ またお前かよ


(鰻)あ、上からの指示なんで スンマセン


そう言いながら鰻はしつこく 鍵谷にチェックに行く が、鍵谷は軽くかわすと

そのままPAに切り込んでいく

ボールを保持したまま 強引にPAに入り込んでいく鍵谷 わずかなスキマを見つけシュートを放つも


         どーん


松田が足を出してはじき返す ゴール左隅には常に松田が待機してて スキマが無い

191センチの長い脚が どこからでも伸びてくる

ファールでももらえればいいのだが 鍵谷はシミュレーションなんかしないタイプだ

元日本代表の誇りがあるのだろうか? しっかり当たられても 踏ん張って倒れないスタイルで

長年プレイしている

大ベテランの鍵谷でも 9人ディフェンスの攻略は流石に苦しんでいた

彼と同じクラスの選手がもう1~2人居れば話は違うのかもしれないが、、、

その後も また家元が鍵谷にパスをして 鍵谷がボールを受ける で、そこに鰻が、、、

流石に嫌気が刺した鍵谷が中盤の選手にパスを出す

が、当然のように 鰻は中盤の選手の方には行かない 静止している鍵谷にぴったりくっついて

離れない

印西の中盤の選手が 横にパスをまわして 中々攻めに行かない

それを見かねたのか 鍵谷が中央に走ってパスを受けようとする

で、その瞬間である

印西の中盤が鍵谷に力ないパスを送る 速度の無いパスがゆっくり来るその瞬間


         ばっ


鰻が間に割り込んでそのボールをインターセプトする

鰻がボールを持ってそのまま敵陣に走りこむ 鍵谷はあわてて走るが 速度で優る鰻に追いつかない

DFである鍵谷の後ろにはもう選手が居ない がら空きだ


(小原)今です!! 篝さん


(篝)はいな!


小原は客席に居た篝に声をかける

篝は手に持っていた ほら貝を吹き鳴らした いつ渡したのだろうか?

ぶっふぉー ぶふぉおお いつもの出陣の音が鳴り響く


(家元)イケえ フェニックス 出陣じゃああああああ( ゜Д゜)


(一同)おおおおおおおおおおお


市川フェニックスの残り9人が全員突撃する PAに引きこもっていた9人が一塊になって

鰻に向かって全力で走る 見たことの無い戦術に印西チームがとまどいを隠せない

相手CBは行くのか 守るのか迷いながら 自陣のPAに戻っていく

中盤の選手が3人鰻を抑えに行き 鰻を囲い込む

進路を塞がれた鰻に鍵谷が追いつく 鍵谷をかわそうと鰻がステップを踏んだ瞬間

印西MFにボールをはじかれる


(鰻)しまった


てんてんと転がるボール がそこに


(切山)いただき


切山が走りこんでカバーする

カバーした切山から即座にボールを奪う鍵谷 だが 次から次へと来る市川の圧倒的人数に

対応しきれていない 10-4の数的不利はどうにもならない

印西もフォワードがカバーに来るが 対応に遅れた為既にPA付近まで運ばれていた

そして 市川はボールを奪うとその一人を囲んで円陣を組みだした

中の一人を囲んで周りの9人がお互いの足の間に足をねじ込んで まるで檻のようなものを作っていく

檻を作ったままじわじわ敵のPAに入り込んでいく


(多門)おいおい なんだそりゃー 移動要塞じゃねえんだから

バカじゃねえのお前ら? 取られたら負けなんだぞ?


多門の心配はすぐに現実になる 檻の囲いのスキマに鍵谷が体をねじ込んでボールを外にかき出す


(鍵谷)おし、前線に出せ これで一点だ


こぼれたボールを奪ったDFが前線に大きくボールを蹴る

印西の誰もが勝利を確信したが、


          ぴっぴー


ここで審判の笛 なんだ?と両手を上げる印西の選手

オフサイドである 市川はDFの選手が全員いないので パスを出した瞬間オフサイドになってしまう


(多門)うっほ これが狙いだったのか トンでもねえこと考えるな

自陣内(フィールドのセンターラインより印西側)ならどこにパス出してもオフサイドにならないが

1メートルでもフェニックス側だとオフサイドになっちまう

真ん中よりちょっとフェニックス側に フォワード残ってたからな

でも こんなの 簡単に修正してくるぞ?


そして オフサイドによるフリーキック

キッカーは鰻 鰻を中心に9人が鰻を囲むように配置している

なんとも通常と異なる異質なフォーメーション 印西もどこを守っていいか とまどっている

そして鰻が林原にショートパス そして即座に林原は鰻に戻す

そして また鰻を中心に全員で囲み檻を制作していく

反応に遅れた鍵谷 また強引に体をねじ込もうとするが


(鍵谷)クソ まずい


鰻の片足がPA内に侵入した これで下手に体をねじ込んで倒れでもしたらPKになってしまう

10人重なってるせいで中身が見えにくい シミュレーションでも倒れられたらPKになるかもしれない

他の印西DFも強引に行けず 躊躇していた その時


        ばたっ


鰻を囲んでいた選手が一斉に地面にうつぶせになった まるで包がはがれたかのように鰻だけが現れる

既に鰻はシュート体勢 そして


(鰻)うおおおおおおおおおおお


弾丸シュートが放たれる 鰻の強靭な脚力から放たれるシュートは 異次元の速度でゴールに向かって

突き進んでいく


            キュン


余りの速度に印西ゴールキーパーは一歩も動けず ボールはゴール左隅に突き刺さった


(多門)うおおおおおお え?ゴール なんだそれ?

またそのミラクルゴールかよ お前らマジでアホすぎる( ゜Д゜)


(鰻)うおおおおおおおおお


(切山)やった やった


(家元)うおおおおおおおおおん これで死なずに済むうううう( ゜Д゜)(号泣)


チームにもみくちゃにされる鰻 うなだれる鍵谷

わかっていればなんてことなく対処できただろう

だが 長いキャリアでも見たことも無い戦術 突拍子もない発想

そして それをこの命がけの入れ替え戦でやってくる 異常性

流石に彼の豊富な引出しでも対応しきれなかった 


(小原)まだ時間は残ってます ここから気を引き締めて


小原が大声でチームに声をかけた


第24話に続く






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