第一話
この世は闇だ、、、、、
まあそれは言い過ぎかもしれないが 毎日朝起きて 掃除して洗濯して
料理作ってバイトして
ってやってたらあっという間に一日終わって
そんなのを繰り返してたら あっという間に49年経ってしまった、、、
これといった技術は無し 嫁さんどころか彼女も無し
両親と同居の実家暮らし 貯金もそろそろ15万を切る、、、
前のバイト辞めてから結構経つ 150万あった貯金もちょっと仕事しないとこんな有様になってしまう
ーーーーーパローワークーーーーーー
(職員)あー実務経験ないんだとちょっとねえ バイトは経験に入らないんですね
経験無いからパローワーク来てるのに経験無いとできない仕事を斡旋する行政
バカとしか思えない 他の仕事は無いのだろうか?それとも単に職員が無能なのだろうか
まあ行政が国民の事なんか考えてないっていうのは死ぬほどわかる
こういうとこ来ると この国がどれだけ腐ってるか浮き彫りになるのが情けない
(職員)あーでも これなんかどうですか?マッサージ
職員はそう言うと一枚のビラをくれた ビラには
(マッサージできる人募集!!!経験とかいいです 誰でもイイからお願い( ゜Д゜))
って内容の文字が書かれていた
で、何故かアニメ調のサッカー少年の絵が
なんでサッカーなんだろう??
―――――――自宅前ーーーーーーーーーー
(山下)と表札のある 建坪15坪ほどの古民家
2階建ての住宅 だがここは(実家)ではない
(ただいま)
ドアノブに鍵を差し込み開けたら ガチャリと扉を開ける
入るとすぐ階段があり玄関右横には靴箱がある
靴箱に靴をしまうとスリッパに履き替える
買ってきた野菜や豚肉をレジ袋から無造作に取り出し 適当に包丁で切っていく
我ながら手慣れたものだ 飲食系のバイトを繰り返してたせいか 包丁さばきは
いっぱしの料理人並みである
適当に刻んだにんじんと豆腐を入れて 昆布を入れる
にぼしを散らして 火をつける 後は沸騰したらかつおぶしを入れてみそ入れればみそ汁の完成だ
あらかじめ漬け込んでおいた米を洗米して圧力釜にかける
後はきざんだにんじんの残りとズッキーニをフライパンに入れて炒める
野菜に焦げ目がついてきたら豚肉を投入して焼き肉のたれを適当にかけていためていく
特に名前は無いが いつもの定番の適当野菜炒めである
ある程度火がとーったら 蓋をして火を止める 余熱で放置しとけば手が疲れなくていい
(ただいまー)
そんなことをしてたら玄関から声が
そう ここはシェアハウス 家主が実家を改装して 部屋を借家にしているという
超小型集合住宅 今流行の低価格物件である 家賃は月35000円程度 アパートより格安で
若い人が利用することも少なくない
(ああーおいしそうですね 小原さん)
そう私に声をかけたのは 20代後半の女性 メガネをかけ長髪で女優のような美人である
そう 私の名前は 小原 凡人 何の取り柄もないしがない49のおっさんである
このシェアハウスに移住をしたのは私にとっては一大イベントだった
年老いた両親と同居もいいが 最近の老人は私より何倍も元気である
家事も完璧にこなすし スポーツまでやってるし 近場に家を借りたところでたまに見に来れば
大きな事故や 突然死などの怖さもないだろうと思っていた
何より自分自身このまま両親が死ぬのを待っていたら おそらく70を超えるだろう
両親を見送った直後に自分が墓に入るハメになる
何かアクションを起こしたい そう思って決めたのがここへ住むことだった
両親から(○○さんシェアハウスやってるらしいよ?)と聞き
その人に尋ねたところ 女子専用で運営しているので 住人に聞いてみると言われ
2日もしないうちから 住人からOKが出たとのこと
本来ならワクワクが止まらないような ラブコメ展開なのだが
まあ、49から見ると 20台なんて、、、、 娘にしか見えない( ゜Д゜)
何も感じない ああ、これが老いるという事なのか 逆に47くらいのバツ1女性だとドキドキしたのだろうか?
いや 47なんてタダのババアで流石に可愛いとは思わない( ゜Д゜)
ジジイの私が言うのも甚だしいが それは事実 絶対に若い子の方が可愛いと思う
だが実際は、、、どんなに至近距離に来ても いい匂いがしても
ボディータッチされても チワワやプードルのような可愛さしか感じない( ゜Д゜)
いやー老いって怖いですね この年で若いころみたいにバクバクする人いるのだろうか?
おそらくOK出たのもこういうのを見透かされてのOKかもしれない、、、
まあ男だと意識してたらOKはそら出ないでしょうよ( ゜Д゜)
娘さんが帰ってきたので テーブルに食器を並べていく
彼女のお気に入りの白い茶碗とお椀 それぞれに味噌汁とご飯をもりつけていく
後は白いお皿に野菜炒めをのせて彼女の座るテーブルに並べていく
彼女は どうもーと言わんばかりに上目づかいで会釈をしてスマホをいじっていた
今時というか 私を給仕係とでも思っているのだろうか? 手伝おうともしなかった
まあでも 同居人ともめ事起こすと本当にメンドクサイ 色々言いたいこともあるが
それは腹にしまって黙々と食事をとっていく 私が席につくと同時くらいに彼女もスマホを辞め
近くにあったテレビのスイッチを入れた
彼女はテレビをちらちら見ながら食事をしていく とくにウマいともマズイともいわない
まあどんどん食っているからまずくはないのだろう こういうのも今時なんだろうか?
こんなに価値観の離れている子と仲良くなれる気はないが、、、
(小原)あ、お名前はなんていうのですかね?
仲良くなろうとしないのは私の目的に反するので 努力はすると心に決めていた
本当に下心って大事だなと この年になって思う 無くなるとこうも興味がなくなるものなのだなと
(あ、わたしですか?篝 綾乃って言います)
そう彼女は答えた
(小原)あ、普段は何をされてるのでしょう?
これも定番の話題である 人によっては激怒する場合もある危険なワードだが
友好度が0状態の場合はある程度博打で言わないとっていうので 初対面だけ言うようにしている
勿論歯切れが悪いようなら詮索はしない
(篝) あ、ふだんはあ そうですねえ OLやってます
歯切れが悪い、、 ウソなのか言いたくないのか まあここは流すのがよさそうだと思った
まあ彼女が何やってようが 大した問題は無いわけで
(小原)な、なるほど
最強の言葉なるほどを使う
肯定も否定もしないで不快感を残さない万能スキル 困ったときにはこれを使うに限る
が、弱点もあって、、
、、、、、、、、
そう沈黙だ 話題が切れてしまうので こうなってしまう
まあ人づきあいが下手だからまだ独身なわけで 気の利いたセリフや笑いがとれれば
もっと違った人生になっていただろう
(ただいまー)
そんな事をしゃべってたらもう一人の同居人の声がした
彼女は篝の知り合いらしく 二人はやたら仲が良かった
帰ってくるなり篝は玄関に迎えに行き キャッキャ言いながら何やら談笑している
それでさー ワカルー だよねー でさでさ
中身がほとんどない不毛な会話が延々と続く いわゆる女子トークってやつだろうか?
目の前でおっさんが黙ってメシを食っている事なんか 何も気に止めない
帰ってきた女の子はまだ18くらい?だろうか 姉妹というよりは親子に近いほど離れている感じだが
そう!そう!もうやだーあかねったら
どうやら あかねって言うらしい 何をしているとかは不明だ
まあ名前を知れただけでも今日の収穫としては十分だろう
(小原)ごちそうさまでした
そう言って食器をかたずける そうしたら篝が
(篝)あ、小原さん食器私が洗うんでそのままでいいですよー
いつも作ってもらっているお礼?なのだろうか
その前に食費を一回くらい払ってくれと思うのだが まあせっかく得られたと思う好感度を下げたくも無いので
(小原)あ、ありがとうございます 助かります
そう言って会釈をして自分の部屋に戻っていった
2話に続く




