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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第四章【サマナイズ編】

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(サンド)88 サンドの想い

(サンド)


「……全く面倒を起こしやがって、ガキが。」


ゲリー様の元に向かわせた電音鳥との魔力の繋がりを消すと、俺は長い前髪をバサッ!と大きく後ろへ流した。

先程、同じ専属護衛のウォンから、クソガキに今後の計画について知られたとの連絡が入り、それをすぐにゲリー様に伝えた所だ。


「────ったく……大人しくしてりゃ〜痛い目に合う事も少なかっただろうに。

母親の影に隠れてろよな、せっかく喜んでサンドバックになってくれてるんだからさぁ。」


ヤレヤレとため息をつきながら、綺麗に手入れしている長い髪を少しだけ摘むと、その一部に枝割れしている髪を見つけ気分が悪くなった。


ツヤツヤと輝く茶色い髪は自分の1番のお気に入り!

そこいらの家畜の様な汚い女よりも自分の方が綺麗にしている自信がある。


「仕方ないじゃん?力がないゴミが排他されんのはさ〜。

そんでもって、俺の様に最高にかっこよくって実力がある男が評価されるのは、当然じゃないか!」


ククッと笑いながら、周りにいる部下たちに声を掛けると、部下達は笑顔を浮かべたまま拍手をして、俺の言っている事の正当性を認める。

それに一種のカタルシスを感じ、ゆっくりと息を吸い込み大きく吐き出した。


元は貧乏家庭の貧乏平民だった俺は、その暮らしに満足する事はなく、毎日毎日不満と怒りを貯めていた。

そんな中迎えた契約の儀式。

そこで運よく加護つきのモンスターを召喚できた事で俺の人生は大逆転したのだ。


「それからはまさに貧乏とは真逆の人生!みんなが俺をかっこいいと言う様になった!

今まで見向きもしなかった上質な女もこぞって寄ってくる様になったし、誰もが俺に敬意を払う!」


今までは『地味な顔』だの『冴えない』などと馬鹿にされてきたが、そんな言葉は何一つ当てはまらない。


だから、俺はココで幸せに幸せに暮らしたい。

そのために必要なら────……なんだってやるよ?


森の中から街を一望し……ニヤッと笑った。


現在俺がいる場所はちょうど低級エリアがある場所の直線上にある森の中。

その森には小さい山がいくつも存在しているのだが、その一つの頂上に俺と数人の部下達がいる。

後は合図があればここで山崩れを起こし、その騒ぎに生じて無能な役立たず共を狩って狩って狩りまくるつもりだ。

適当に痛めつけて……その後はウォンに肉団子をどんどん作ってもらう。


「こんな堂々と人を襲うのは初めてだ。

それが許されるなんて……最高だな。本当にゲリー様様ってヤツ♡」


その時の事を妄想すると、興奮して下半身が反応してしまいそうだ!


フンフン〜♬と鼻歌を歌いながら、アレもしたいコレもしたいと夢を膨らませていると、コチラへ向かってくる見知った魔力反応を感じ、チッ!と舌打ちをした。


「この反応はローレン様か……。一体何の用だ。ゴミ女め。」


今の幸せな生活を邪魔する者は、全て敵。

ローレン様は、一応貴族の仕事をさせるには便利だし大人しく言う事も聞いているから現時点では一応敵ではないが……わざわざこのタイミングで来るのは少々おかしい。


「……ふん。」


何か勘づいたか?


俺は面倒くさい事になりそうだと顔を歪めたが、すぐにそれを笑顔の下に隠してローレン様を迎える準備を部下に命じる。

すると部下達はその場で休めのポーズをとったので俺もそれに続くと、馬に乗ったローレン様がコチラへ向かって真っ直ぐ向かってきたのが見えた。


「これはこれはローレン様ではありませんか〜。本日はどうされましたか?

我々は森の地盤についての知らせが街の者から届いたので、コチラに調査にやってきました。

仕事中故、どうかお話は手短にしていただけると有り難いのですが……。」


「……嘘はいいわ。そんな報告書はなかったわよ?嘘をつくならもう少し考えてつく事ね。

シリンズ家の仕事を請け負っているのは全て私なのは知らなかったかしら?」


「…………。」


クソ生意気な事を言いだしたゴミ女に、笑顔のまま口元が引きつる。


「……それは申し訳ありません。ゲリー様より直接の命令だったもので、少々記憶違いがあった様です。

とりあえずココは危険なのは間違いないので、屋敷へお帰り下さい。

街の外なので、万が一……があるかもしれませんよ?」


『今すぐ消えないと消すぞ?』


それを優しく優しく言ってやったのに、いつもなら怯えた目でそそくさといなくなるローレン様はこちらを睨みつけた。


「ゲリーがどうやって魔力コストを用意しているのか、アナタなら知っているでしょ?

今すぐそれを吐きなさい。これはシリンズ家のローレンからの命令よ。」


「…………ハァ。」


やはりめんどくさい事になったようで、俺はわざとらしく大きなため息をついてやった。


もしかして、ガキだけでなくコイツにも話は聞かれていたのでは?

爪が甘いウォンにイラッとした気持ちが湧く。


────たくっ。ちゃんと確認しとけよ、クソ野郎が。


俺はニコニコと笑みを浮かべたまま、ゆっくり前髪をかきあげ、舌ベロを思い切り出してやった。


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