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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第四章【サマナイズ編】

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(アッシュ)75 シリンズ邸

(アッシュ)


────トントンッ。


人混みの多い通りではなく、建物の上を走っていく。

向かうのはこの街を治めている領主様である【シリンズ家】のゲリー様とやらがいるお屋敷だ。


「貴族って、どうしてあんなに目立つ家に住みたがるんだろう?正直何も良い事ないと思うんだけど……。」


暗殺してくれと言っている様なもんだし、人生どん底のヤツからの怒りや憎しみだって向けられやすい。

普通の神経じゃ〜リスクの方が高いと俺は考える。

      

「────まぁ、()()()()()()()()の時はとっても楽ちんだったからいいけど。」


クスッと笑いを漏らしながら、目の前に見えている大きなお屋敷へと視線を向けた。


街の中央にドーンと建っている塔が【聖儀式塔】で、正門と反対方向の広大な私有地に建っているのが【シリンズ邸】だ。

更にその私有地の中には、ゲリーが住んでいる邸の他に何個か正体不明な建物が建っていると、走り去りながら耳に入る街民達の会話から知った。


「貴族の私有地内の建物って、大抵碌でもないモノがあったりするから……めんどくさ〜。」


胸糞わるい貴族達の趣味を楽しむための空間。

今までこの目で見たモノ達の記憶が一気に蘇り、オェ〜!とえづきながら、俺はゲリーの家の正門近くの物陰へと身を潜めて様子を伺った。


正門には、恐らく守備に特化したギフト持ちの守衛が10名程。

更にその奥には、攻撃や特殊攻撃に特化してそうな奴らがゴロゴロといる様だ。


「へぇ〜、結構厳重だね。普通の男爵家ならここまで徹底した警備をしてないのに。

これじゃあ何かあるって言ってる様なモンじゃん。」


フッと鼻で笑っていたその時、正門に随分と大きな馬車と荷台が現れた。

どうやらそれは商人である様で、『ゲリー様〜……頼まれていた〜……。』『新作〜……。』などなど、守衛達に説明していた。

すると、守衛達は荷台の中を隅々までチェックした後、何やらその商人に確認をし始めたので、俺はコッソリと荷台へと近づき────その影の中へと潜り込む。



【王魔人】


< 影足 >

対象の影に潜り込み潜伏する事ができる空間系特殊スキル

更にその影が他の対象に繋がれば、その瞬間に移動する事も可能

影の中に入れる持続時間は、自身の魔力、器用さ、隠密レベル、気配遮断レベルによって異なる


(スキル条件)

一定以上の魔力、器用さ、隠密レベル、気配遮断レベルがあり、一定時間以上ターゲットに気づかれずに行動できた成功体験がある事



荷台の影に潜り込んだ俺は、今度は戻ってきた商人の影へと移動し、そのまま邸の中に入るのを大人しく待つ。

すると正面の入口が開かれ姿を現したのは……まぁ、金銀財宝、富と名誉を反映するようなゴージャスな造りの内装であった。


……予想外が何一つない、予想通りの内装だな。


退屈であくびをしながら中をキョロキョロと見回すと、すぐ目の前に執事らしき男が現れた。


「ようこそいらっしゃいました。旦那様と奥様がお待ちです。」


そうして執事は案内を始めたので、商人の男は同乗していた部下らしき男たちに命じ、荷台に積んであった木箱を次々と運び出していく。

どうやらゲリーとその奥さんがいる部屋に通される様だったので、俺はそのまま周囲の様子を注意深く見回した。


今のところ、趣味の悪い成金貴族の家って感じだけど……さてさて、何が出てくるのかな?


特に代わり映えのないギラギラした景色が続き、やがて大きな扉の前に辿り着く。

恐らくこの部屋がゲリー様とやらが待つ部屋だろう。


「ゲリー様、商人の方々が到着致しました。」


「────入れ。」


執事の男がノックをしながら報告を口にすると、中から野太い男の声がして、それを合図に扉が開かれる。


中の部屋はこれまた予想通りの内装で、非常に広い部屋の中、赤いカーペットに細やかな細工を施したテーブルが中央に置かれ、壁には有名な画家が書いたであろう美しい外見をした人物画が大きく飾られていた。


ここは客間かな?────で、あれが……。


俺の視線は、ちょうど入口の方向を向く様に設置されている二人掛けのソファーへ。

そこには二人の男女が座っていて、男の方は壁に掛けられた美しい人物画に描かれている人物……とは程遠い姿をしていた。


ソイツは三十代半ばくらいの太った男で、テカテカの顔と前に大きく突き出た腹を見れば、さぞかし贅を尽くした怠惰な生活をしてきたんだろうなと想像できる外見をしている。

身につけている物はパッと見てまさに財で着飾るという表現が正しい、沢山の装飾品つきの長い丈のチュニックを着ていて、クリンクリンのパーマ掛かった髪の毛をいじりながら、商人を無遠慮な目で見ていた。


女の方は、男とは違いとても痩せていて、シャープで整った顔立ちをしているが顔色は青白く、目元にはクッキリと濃い隈がある。

そんな不健康そうな外見で俯くその姿は、まるで幽霊の様で……身につけているドレスは落ち着いた紺色のドレスで、ギリギリ貴族として見える程度のモノだ。



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