表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第四章【サマナイズ編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/92

73 ゲリー様

(ルーク)


◇◇

「そうそう、夕食についてなのですが、お好きなタイミングでとれますのでいつでも声をかけて下さい。」


「助かるよ。ありがとう。」


部屋を奥の広い部屋を一室にしたのは、どうせセレン一人を別部屋にしても、結局寝ぼけてこっちに来るのが分かっていたから。

俺はキリッ!と真剣な顔つきで宿屋の周囲を見回すセレンを見て、汗をかいた。


……もしかして違う部屋のお客さんの所にいくかもしれないし、ちゃんと見張っていよう。


疑心暗鬼な目で見つめる俺をセレンは不思議そうな顔で見てきたので、ゆっくり視線を逸らす。

すると、オープンな廊下から美しい庭の景色が目に入り思わず感嘆の息を吐きだした。


「綺麗な庭だな。作りがとても丁寧だし、これも契約したモンスターのお陰か?」


綺麗に切り添えられている木々と花、それにまるでホタルの光の様な灯りが宙に沢山浮いている。

すると笑みを浮かべたまま、ハクさんは自分の肩にとまっているピリンの首元を撫でた。


「そうです。庭師は全員植物に特化した能力を持つモンスターと契約した者達ですので、いつも完璧な仕事をしてくださいます。

……この街は、とても優秀なモンスター達によってどんどん発展しています。

その最大の原因は、この街を治めている<ゲリー>様でしょうね。

ゲリー様は、『使えないモンスター』は許さないので……。」


最後はまるで独り言の様に呟いたハクさん。

その雰囲気は暗く、何か思う所がありそうだったが、すぐにパッ!とそれを散らして明るい笑みを見せる。


「ゲリー様は非常に強力なモンスターと契約できたみたいで、以前この街を襲ってきたモンスターの集団も、その契約モンスターがで難なく倒してしまいました。

だからこの街には、守備隊や冒険者ギルド、傭兵ギルドなどの戦闘機関はないんです。

そのお陰で観光客の方々からは『治安がとても良い』という評価を頂いております。」


「ほほ〜?ゲリー様ねぇ……。」


俺はここで、街が綺麗過ぎる原因の一つを知った。


守備隊は街を守るため、街を治めている領主が管轄の戦闘機関であり、ある程度の大きさな街では必ず常駐している。

そして、冒険者ギルドと傭兵ギルドも必ずセットで街に常駐する、民間が運営する戦闘機関だ。


街を守るのが最優先の守備隊と比べ、冒険者ギルドは脅威となるモンスターや盗賊の討伐から子供の御使いまで多種多様な仕事内容があって、傭兵ギルドの方は対人も含む戦闘に特化している仕事内容がメインである。

この様に性質は微妙に違えど、何かと物理的に戦う事を選ぶ輩がわんさか集まるこの3つの大事な戦闘機関……その仕事柄、特に冒険者ギルドと傭兵ギルドに所属するギルド員達は非常に好戦的でイカレポンチな輩もそれなりにいるって事。

つまり、街の治安は多少なりとも荒れるのが普通で、酒屋やちょっと綺麗なお姉さんと遊ぶ店などが発展するもんだが、いなければ発展せずに街はクリーンになるという事だ。

そして、それを可能にしているのが街を治めている領主である<ゲリー>様だと……。


「一体どんなモンスターと契約できたんだ?」


「『精霊の加護付き』のモンスターです。

攻撃に優れた加護を与えられたモンスターだったらしく、街を襲ったモンスター達は、全員ドロドロに溶けてしまったのだそうですよ。」


淡々と話すハクさんの話は、ちょっと怖くて内心震える。

セレンは『ドロドロ』を想像したのか、少しだけ顔をしかめていた。


『精霊の加護付き』は、非常に稀に見る精霊の力を与えられているモンスターの事で、その力は様々な恩恵をそのモンスターに与える。


例えば、単純に攻撃力がUPする加護や魔法が強化される加護、更には何か特殊な能力が与えられる加護などもあり、それを持つモンスターは通常のモンスターより遥かに強くなる。

そのため加護付きのモンスターは<オリジナル>と呼ばれ、例えランク自体が低くても警戒しなければ行けない相手となるのだ。

そんなオリジナルと契約できるとは、領主様の実力は本物らしいが……なんだかハクさんの様子から、なんとなく意味深な雰囲気を感じた。


「『精霊の加護付き』とは恐れ入った。それは初めての契約で?」


「…………。」


また一瞬間が空き、その間に俺達が泊まる部屋の前に到着してしまう。

すると、ハクさんは引き戸になっている扉をゆっくりと開け、また深々とお辞儀をした。


「初めて来てくれたモンスターは、Gランクのモンスターだったと言われています。

その後、何回目で今のオリジナルモンスターと契約したのかは……少なくとも私は存じません。

……ゲリー様の契約の儀式は、基本いつでも見学できます。

よろしければ、本日も召喚されるそうなので見学に行ってみてはいかがでしょう?」


「……そうか、ありがとう。」


俺がそう答えると、ハクさんは顔を上げてニコッと微笑むと、そのまま「ごゆっくり……。」とだけ告げて去って行った。


俺達はハクさんを見送った後、部屋の中に入ると、そこにもハクさんの契約モンスターの能力によるものか、宙に沢山の丸い光がフワフワと浮かんでいて部屋を明るく照らしている。

部屋の中はこの建物の外観に合う感じで作られていて、とても落ち着きある空間になっていたが、俺達は荷物を置いて立ったままお互い顔を見合わせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ