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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第四章【サマナイズ編】

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72/91

71 サマナイズに到着

(ルーク)


◇◇

「おお〜……。」


「これは……凄いですね。」


俺とセレンは目を輝かせ、街を自由に歩いたり飛んだりしている精霊達を見つめる。


早速本日泊まる予定の街<サマナイズ>に到着した俺達一行。


馬車をここまで引いてくれた御者にお礼を告げて、街の入口で一旦解散したのだが……その入口にある検問を通った所で見えてきた景色に、ひたすら感動してしまった。

多種多様なモンスター達は、契約者である人間達と並んで歩いていたり肩に乗っていたりと、随分仲良しな様子を見せていたからだ。

そこには差別的なモノは見えず、俺とセレンは驚かされた。


「なんだか思っていたのと違ったな〜。もっと身分がハッキリ分かる様な景色が広がっているかと思っていたのに……。」


「……やはり噂は信じてはいけませんでした。モンスターと人が見事に調和している……。」


セレンは反省しているのか、拳を握って悔しそうな顔をしていたため、ポンポンと頭を軽く叩いて慰めておく。

そうそう!何事も自分の目でしっかり確かめるべし!……と自分にもちゃんと言い聞かせながら、チラチラと道を歩くモンスターたちを更に観察する。


街に入って直ぐに続く広くて長いメインストリートらしき道には、沢山のお店が並んでいるが、そのお店の店主らしき人の側にいるモンスター達は楽しそうに仕事を手伝っていた。


「ほほ〜ぅ?あのアイス屋さんのアイス、モンスターが作ってくれるのか。」


アイスを売っているお店では、店主の持っていた液体が青いフワフワした雲の様なモンスター<アイスノー>によって一瞬で氷に変わる。



<アイスノー>


体長10cm前後の雲形Gランクモンスター

氷と水の粒で体が構成されているとされていて、水と氷の魔法を得意とするが、小さいモノを凍らせるくらいしかできないため戦闘はできない



どうやら、あの青い雲みたいなヤツは、モノを凍らせる能力を持っているモンスターの様だ。

興味深くその様子を見ていると、アッシュが頷きながら他の店を指さした。


「この街の店は、それぞれ商売に適したモンスターと契約できた人しかいないみたいだね。

洗濯屋には、汚れを落とす洗浄魔法に優れた能力を持っているモンスターとか、飲食店には火を操る能力に優れたモンスターとか……多分、食べ物は普通に作られたモノより美味しいはずだよ。」


「へぇ〜。ちょっと食べてみようぜ!」


俺は早速近くにある串焼き屋に近づくと、ジュージューと焼かれた肉の串焼きを三本購入する。


肉はこんがりと焼かれてキツネ色。

肉の香ばしい匂いは鼻を擽り、視覚と嗅覚を同時に刺激してくる。


────ゴクッ……。


口の中に溢れる唾液を飲みながら、セレンとアッシュに串焼きを一本ずつ渡してやると、「「「いただきま〜す!」」」と言って同時にかじりついた。

すると噛んだ瞬間、まず感じるのは表面のカリカリ部分。

そして、そんなカリッとした肉の表面を突破すると、突然熱い肉汁が口の中一杯に飛び出す。

表面はパリパリ!中はスーパージューシーな肉は、とにかく美味しいという感想しかでてこず、肉を噛み締めて感動に打ちひしがれた


「う、う、うまぁ〜……っ。」


フルフル震えながら、数回噛んだだけで溶ける様になくなった肉をひたすら食らう!

アッシュもセレンも俺と同じ感動を味わっているのか、ひたすら無言で食べている様だ。


「坊っちゃんお嬢ちゃん達、美味しそうに食べるねぇ!ありがとよ!この街では観光ですかぃ?」


まだ若そうなその店の店主の男が笑顔で気さくに喋りかけてきたので、俺は素直に頷いた。


「あぁ、今日はこの街に泊まる予定なんだ。こんな美味しい串焼きを食べたのは初めてで驚いたよ。これはその肩に乗ってるモンスターが焼いてくれるのか?」


「へい!ウチの<サラド>は、火を操る能力に適したモンスターなんでさぁ〜。

だから肉の火加減なら大得意なもんで、こうしてありがたい事に串焼き屋としてやっていけてます。」


店主の肩にちょこんと乗っているのは、片手サイズの赤いトカゲの様な形をしたモンスターで、口からフワッとした赤い煙を吐いては、串焼きを焼く火を強くしたり弱くしたりしている様だ。



<サラド>


体長10〜20cm程のトカゲ型Gランクモンスター

火属性のモンスターであり、火の扱いに長けているため、飲食店などを営む者達にとって非常に人気が高い

ただし戦闘用としては適していない



「ほほう!それは凄いな。良いモンスターと契約できて良かったじゃないか。」


「本当に運が良かっただけでさぁ。

16の時の契約の際にコイツが来てくれて、そのお陰でこの街でこうして何不自由無い生活ができてます。

それまでは、特に何も特技がなくて……街を出ていこうと思ってたんですが、こうして街人の一人になれて本当に良かったでさぁ。」


その店主は嬉しそうに笑いながら、肩に乗っているサラドの頭を人差し指でクリクリと撫でた。

サラドは嬉しそうにしているので、随分と関係も良好である事が分かる。


「そうか、これからも美味しい串焼きを沢山焼いてくれよ。」


「へい!ありがとうございましたぁ〜♬」


ご機嫌で串焼きを作る店主に手を振って別れると、次の店へ。

そうしてふらふらと色んな物を買ってみては食べ続け、沢山のモンスターの契約者達とのお喋りを楽しんだ。


「随分といい街じゃないか。農作物をそれに適した街から買い付け、モンスターと協力して更に美味いもんにして売る……それで街は潤っているって事か。」


農作物に適する地形はしていない<サマナイズ>は、モンスターの恩恵を受けて発展してきた街の様だ

セレンがまた肩を大きく落として反省していると、アッシュは凍ったりんご飴をパリパリと噛み砕いた後、小さく笑う。


「それはどうかな。確かにこの街、表向きは良さそうな感じがするけど……なんとなく、違和感があるんだよね」


「……なるほど。どうしてそう思うんだ?」


何か文句を言おうとするセレンの口に、凍ったみかん飴を捩じ込んで黙らせると、アッシュが感じる違和感について尋ねた。

するとアッシュは腕を組み、考え込む仕草を見せる。



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