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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第三章【半年後の三人の話編】

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60 一番変わったのは?

(ルーク)


「…………。」


「…………。」


セレンとアッシュは睨み合い、そしてそのまま────ニャンニャ〜ン!とじゃれ合いを始めてしまった。


「……またコイツらは。」


威嚇するネコの様に大激怒してネコのパンチ……いやレイピア攻撃を繰り出すセレンを、チェシャ猫の様な目をしたアッシュが、からかいながら避ける。

これがこの半年、定着してしまった日常だ。


「まぁ、楽しそうだからいっか。良い修行になっているみたいだし……。」


セレンは純粋にアッシュの複雑な動きに慣れて、良い物理的な修行になっているし、アッシュに至っては、これでも人との新しい距離感を学んでいるんじゃないか?という節もある。

それはアッシュが今現在纏っている柔らかい雰囲気を見れば、なんとなく分かった。


「ほら〜!じゃれ合いは終わり!今度はアッシュな。アッシュは、俺との実践テストと行こうか。」


「じゃ、じゃれっ!!?わ、私は────。」


「よろしくお願いしま〜す。」


セレンはショックを受けた顔で何かをモゴモゴ言っていたが、アッシュがまたすかさず返事を返してセレンの話を遮る。

それにセレンはムッ!!としたみたいだが、とりあえずテストと聞いて、渋々レイピアを鞘に収めた。


「結局半年間、一回も攻撃当たらなかった。そのせいで俺の自信は見る影もなく粉々に砕け散っちゃったな。」


「ハハッ。自信はあって良し悪しだぞ。有りすぎても人は努力を忘れるからな。

最高の環境で修行できてよかっただろ?」


軽口を叩き合っていると、アッシュはトントンッとつま先でつま先で地面を叩き────一気に距離を詰めてくる。

直ぐに腕で左側をガードすると、強烈なハイキックが俺を襲った。


「……相変わらず、空気が緩んだ瞬間をジャストで狙ってくるな。」


「昔から奇襲は得意なんで。でもなんで当たんないんだろう……ねっ!」


アッシュは防がれた側と反対方向を狙った攻撃をしてこようとしたが、それはフェイントで、非常に軌道が読みにくい動きで足払いを仕掛けてきた。

そのフェイントは絶妙で、前から大したもんだと思っていたが、それに磨きが掛かりまくっている!


「またフェイント増えてんじゃん。結構結構!」


「────っクッソ。かすりもしない!」


アッシュは悔しそうに眉を寄せながら攻撃を続けているが、その雰囲気はやはり柔らかいモノで……この戦いを楽しんでいる様に見えた。


「まだまだ、先は長いぞ〜。更に精進したまえ、若者よ。」


「同じ歳でしょ?」


ふてくされた様な顔をしながらも、その目は常に俺と俺の周囲に向いていて、この瞬間も新たな攻撃パターンを生み出そうとしている事が分かる。


アッシュは元々好奇心が強いらしく、それが戦い方にも出てくる様になった。

ひたすら直進型のセレンとは真逆の、非常にトリッキーな攻撃が持ち味。

だからアッシュの方は特に課題を与えず好きにやらせてみたが……それが能力のさらなる開花を促した様だ。

毎日毎日俺との実践によって、沢山の攻撃パターンを覚え、考え、工夫し……未だに進化し続けているのだから、恐れ入った。


────ガっ!!!


ハイキックと見せかけての、踵落としをクロスさせた両腕で受けきってやれば、アッシュは一旦俺と距離を取る。

そしてトントンッとまたつま先で地面を軽く叩くと、右足は赤く燃え、左足は青白く光り始めた。



【王魔人】


<源生足(魔)>


様々な属性を足に付与する事ができ、それぞれの属性によるダメージ+デバフ付与も相手に与える事ができる

更に熟練度が上がれば複数の属性を一気に使う事もでき、更にデバフの数も増えていく


(スキル条件)

一定以上のステータス値を持ち、格上との戦闘経験値、思考経験値、好奇心、探究心、器用さを持っている事



「火属性と水属性か……。相変わらず器用なヤツ〜。」


「まぁね。俺、天才だから。」


アッシュは、また一瞬でこちらへ飛んでくると、そのままキック……と思いきや、大きくしゃがんで、俺の足元を狙う。

そのため、トンッと俺が軽く飛び上がると、直ぐに青い足の方で地面に向かって踵を落とした。

すると「あっ!」────という間もなく、地面が氷に変化し、地面に着地した俺は、思わずツルッ!と滑って体勢を崩す。


「おおお???」


「もらった!!」


そのまま後ろに大きく剃る俺へ、アッシュは容赦なく赤い方の足で横蹴りをしてきたが……逆にその足を掴み、体を捻ってアッシュの体を投げ飛ばした!


「────うわっ!!?」


「ん〜……90点!まだまだ成長に先があり!」


勢いを殺せず飛ばされたアッシュは、そのまま宙から地面へ落下したが、流石というか直ぐに体勢を整え唇を尖らせる。


「クッソ〜今のはイケると思ったのに……。」


「まぁ、常人ならあれでお陀仏だ。しかし、なんといっても相手が俺なんで〜。超超天才な俺なんで〜。」


鼻で笑いながら煽ってやったが、アッシュはなんとなく嬉しそうだ。

しかし……。


────ジ〜……。


セレンがふてくされている!


「悔しい。────今に見てろ。首を綺麗に洗ってな。」


「そんなに綺麗にしたまま待ってられないかな?老衰で死んじゃうんで。」


バチバチ!と火花が散って睨み合う二人。

実力の激変あれど、間違いなくこの半年で一番激変したのは、この二人の関係性だと思う。


セレンを褒めるとアッシュが、アッシュを褒めるとセレンが、とにかく二人揃って直ぐに手が出て足が出て……そしてその後は取っ組み合いの喧嘩になる。

ただ実力的にはアッシュの方がまだかなり上なので、本当にじゃれ合いレベルの様だ。


セレンの顔を豚鼻にしたり、ホッペを下に下げて酷い顔させたり、意地悪している?と思えば、セレンも負けずに、アッシュに見立てた変な絵を書いて笑いながら破いたり、アッシュの嫌いな人参をわざと山盛りにして食べれない事を馬鹿にしたり……正直、第三者から見れば、一体お前達何をしているの?と言いたくなるモノだ。


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