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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第三章【半年後の三人の話編】

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59 半年後

(ルーク)


〜半年後〜


「よ〜し!セレン!最終試験だ、死ぬなよ?」


「分かった!任せてくれ。」


グッと腰を落としてレイピアを構えるセレン。

その前には、象より大きなイノシシ型のモンスターがいて、まるで火炎放射器の様な鼻息を吹いている。

どうやら対峙しているセレンに対し、相当お怒りの様だ。



<トルネード・ボア・キング>

体長10m越えのイノシシ型Eランクモンスター

正面からの突進は、まともに喰らえば命はない。

更に風と火の属性魔法を駆使して敵を追い詰めてくるので、基本大人数かつ物理、魔法攻撃のバランス型パーティーでの討伐が基本



この世界の生物は人型種族……つまり俺達の様な人の他に、牛や豚などのスタンダード動物と、更にその他に分けられる。

その『その他』が、モンスターと呼ばれる独自の生態系を持った生物。

コイツらは、人に対しての脅威度によってランク分けされている。


今の所確認されている中で最も脅威度が高いモンスターは【Sランク】で、これはもはや、人の存続が掛かっていると言える厄災レベルに分類されているレベルである。

そのためもはや伝説に等しい扱いであるらしい。


そしてその次が【A】【B】【C】【D】【E】【F】【G】と続いていき、最弱の【G】ともなれば、一般人でも少し強ければ倒せるくらいのレベルとなっている。

ちなみに、基本ソロで倒せるのは【F】ランクまでと言われていて、それによってモンスターというモノの単体の強さと、人族のチームワークの重大さが分かるというもの。


「戦いは常に、頭脳を使った団体戦が有利。さぁ、そんな中、ソロのセレンはどう戦うのかな〜?」


街の近くの森の中、そこで探し出したソロでは難しいとされている【Eランクモンスター】。


最近街の付近で暴れまわっているコイツは、討伐対象になっていたので、セレンの最終試験用に利用させてもらおうと思ったのだ。

ワクワクしながら見ていると、先に動いたのは────<トルネード・ボア・キング>の方だ!


「ゴロロロロロロ────!!!!」


大きな咆哮をあげながら、セレンに向かって一直線に走っていくトルネード・ボア・キング。

そのスピードは巨体であるというのに、まるで凶暴な風の様で、一般人なら光の筋が入った?と思うくらいのモノだ。

だが────……。


────トンッ。


セレンは軽々と上へ飛び、そのタックルを避けると、宙に沢山の小さな魔法陣が浮かんだ。


「そんな力押しの攻撃、私には通用しないぞ。」


セレンは不敵に笑うと、宙に浮かんでいる魔法陣の間をジグザグと飛び回ってトルネード・ボア・キングを翻弄する。


「ゴロッ!!?ゴロロロロロッ!!!」


セレンのスピードはまさに小さな雷の様で、その早すぎる動きにトルネード・キング・ボアはついていけてない。

そして目をグルグル回したタイミングで、セレンは大きく魔法陣を踏みしめトルネード・ボア・キングに向かってまっすぐに飛んでいった。

そして────白く輝くレイピアで、その体を真っ二つに叩き切る。



【剣豪人】


< 闘心の剣 >


ある身体的能力と物理攻撃力が一定以上になった時に使える事ができる<闘気>を、自身の武器に付与する事ができる強化系スキル

全ての攻撃能力値がUPし、熟練度によって大幅にその強化値は上がっていく


(スキル条件)

一定以上のステータス値と格上との戦闘経験値、精神耐性値、努力値、根性、闘争心、を持つ事



「お見事!」


見事な攻撃に、思わず歓声と拍手を送ると、セレンはレイピアを鞘に収め、照れくさそうに顔を赤らめた。


「ルークのお陰でここまで強くなれた。本当にありがとうございました。」


「何言ってんだ。全部自分の努力のお陰だろう。」


セレンは、半年前とは比べ物にならない実力を得たが、それは本人の努力の結晶だ。

元々独学でひたすら剣を振っていたヤツだったので、その努力と根性について分かっていたが、これまたイモムシから蝶々どころか巨大怪獣が生まれたレベルで大化けしたといっていいだろう。


とてもまっすぐでひたむきな剣の型は、下手に曲げない方が良いと考えた俺は、とにかくそれをひたすら伸ばす事にした。

恐らく純粋な意味での剣の攻撃は、セレンは誰にも負けないくらい凄いモノだと思う。

更に────……。


チラッと視線を、セレンの腰に装備されているレイピアへと送る。

軽くて扱いやすいレイピアへ武器を変える事で、セレンの能力は更に開花した様だ。


セレンは超スピード型だからな〜。絶対軽い系の武器が良いと思ったが、レイピアは大当たりだった。


満足気に微笑んでいると、セレンは更に顔を真っ赤にしてボソボソと呟く。


「ル、ルークと……その、せ、青春というモノをできる事を……たっ、たのしみに────……。」


「ハイハ〜イ。じゃあ、次、俺ね。」


近くの木の上で見学していたアッシュが、セレンの後ろに着地すると、そのままグイ〜!とその体を押しのけて前に出た。

それにムッ!としたセレンが、アッシュに向かってレイピアを振ったが……その攻撃は軽々と避けられてしまう。


「……この<ワタボコリ・ボンボン>男め。」


「じゃあ、セレンはムキムキの<ゴリカブト>だね。」



<ワタボコリ・ボンボン>


体長10cm程の集合体系Gランクモンスター

綿や埃、動物やモンスターの毛などが集まって魔力で固められた体を持つ

基本的には生き物であると言えるかは疑問視されてはいるが、風に流されながらも水を飲んだり花の蜜を吸ったりしているため、一応生物を認識されている

フワフワしたその外見から、観賞用として売られている



<ゴリカブト>


体長10m程のゴリラ型Dランクモンスター

甲冑の様な非常に硬い外骨格を持ち、並の物理攻撃は全く効かず、魔法攻撃は反射してしまうので、僅かに空いている関節の隙間を狙って攻撃するのがセオリー

しかし元の身体能力は高く、体は非常に筋肉質であるため、隙間に攻撃をしても討伐は難しい


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