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(???)
「【ブロッセン商会】からの連絡が途絶えました。────何かまずい事があったようですね。」
薄暗い部屋の中、一人の男性が暗い声色でそう言うと、フフッ!と少女の控えめな笑い声が、部屋の中に響く。
「どうせ、どこぞやの同じ様なろくでなしの同業者とトラブルを起こしたのでしょう。
大した実力もないゴミみたいな者達でしたしね。
せっかく上手く使って差し上げようとしたのに……それすらもできないなら、捨て置いて良いでしょう。
どうせ目的を果たした後は、全員始末するつもりだったので、手間が省けて良かったです。」
清らかさを感じる笑顔と、口から飛び出す言葉達がどうも上手く噛み合わない様子だったが……男性は、特に驚きもせずに大きなため息をついた。
「確かにそうですが……一応、誰がやったのか調査をしておきますか?面倒な輩かもしれませんし……。」
男は顎に手を当て考え込む仕草をすると、少女は少し考えた後、コロコロと笑う。
「わざわざ人員を割いてまで調べる必要はないでしょう。
確かに、あのトップの男や他の幹部であるという者達を見た時、その実力と功績が見合っていない様にも見えましたが……恐らくは人を使うのに長けていた方だったのでしょうね。
まだまだ使えるモノは沢山ありますし、しなければならない事は多いので、そちらに尽力すべきです。」
「そうですね。────しかし、少し間は開けた方がいいかもしれません。
鼻が効く者達もいますので……。 」
男性が美しいお辞儀を見せると、少女は笑みを浮かべたまま不穏な空気を出した。
「悲しいですね、何が正しいのか正しくないのかを知らない無知な者達がいる事は……。
仕方ありませんね。少しの間は大人しくしましょう。
ですが、必ず目的は達成しなければなりません。
特に、最近聖女などと噂されている、偽物を始末しなければ……。リリス……せいぜい今のうちに楽しく過ごす事です。
正義は我らにあり。邪なるモノは全て我々が始末するのは、この世界の願い……分かってますね?」
「はい、勿論でございます。」
男性の答えを聞いて、少女は不穏な空気を治めて、部屋にある窓から外へと視線を向ける。
そして美しく輝く星を見つめ……大きく口元を歪めて笑った。




