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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第二章【セレンとアッシュ編】

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(セレン)42 選んだ道へ

(セレン)


「あのな〜……俺はドルマの答えがなんであれ、お前達を開放なんざしねぇからな?

結局戦い方っつーのは、相性があってさ。まぁじゃんけんと同じだよ。

『優しさ』がクリティカル・ヒットする相手もいれば……お前らみたいに、完膚なきまでに叩き潰すしかない相手もいる。

人の慈愛でそこから這い上がれ無い輩は、ドルマの言う通り『赦し』が逆に悪の心ってヤツを育てちまうんだ。

お前達は、後者の大バカ野郎共だ。だから今度は大人しく人に使われる側で生きてけ。

これが好き勝手生きてきたヤツの末路ってヤツだから……仕方ねぇよな?」


「そ、そんな……っ。」


ヘビネロ商会の者達は、全員絶望の表情で言葉を失くし、直ぐに泣き喚きながら、周りに集まっている街の人達に救いの手を求めたが……誰一人その手を取ることはなかった。


因果応報。

これが人を傷つけて得を得てきた者達の人生の結末だ。


一つの生き方を嫌というほど見せつけられ、今度はいつか来る自分の人生の果てを想う。


戦いの果てにあるモノ、それは一体何か?


自分の木刀を握る手を見下ろし考え込んでいると、ドルマに名を呼ばれた。


「セレン。」


「────っ!は、はい。」


突然の声に驚き、ビクッと肩を動かしてしまったが、ドルマはそのまま怖いくらい真剣な表情で喋り始める。


「貴方は結局、その戦い方を選ぶのですね。

その道は、きっと普通の人より困難ばかりが待ち受けている事でしょう。もしかして地獄の様な世界へと繋がっている可能性もあります。それでも、やはりその道を選びますか?」


「……地獄。」


ドルマの言葉は重く、きっと沢山の人の生き様を見てきたからこそ、今までこの道を選ぶ事を止めようとしてきたに違いない。


この生き方は常に敵を生み、怒りや憎しみをぶつけられ続けるだろうと思う。

一生高みを目指し、休む事なく戦う事になる……きっと人によっては地獄の様な世界だとも分かっている。

でも────……。


私はまるで悪役の様に笑いながら、ヘビネロ商会の奴らを縛りあげていくルークを見た。


それでも私は、これがいい。

見てみぬフリをして、安全な場所にいる方が私には地獄だから。


「────はい。どこに繋がっていても……私はこの道を選びたいです。」


まっすぐドルマを見返して言うと、ドルマは困った様に笑い、手を前に組み祈りのポースをとった。


「では、お互い選んだ『武器』を使って、世の脅威と戦ってまいりましょう。

戦いには相性があるそうだから……私の武器が使えない時は、よろしくお願いしますね。

でも疲れた時は、いつでも帰って来なさい。私達は違う道を選んだとしても、家族なのだから。」


「はい……っ。今までありがとうございました!」


自分の選んだ道を受け入れてくれた事、そして今まで育ててくれた事に感謝し頭を下げる。

気がつけば他のシスター達も笑って私を見ていて、ピューピュー!と口笛を吹きながら応援を口にしてきた。


「めちゃくちゃスッキリしたわ〜!ありがとうセレン!これから頑張って!!」


「かっこよかったわよ!セレン!こうなったら、その道を極めてよね!」


ワーワー騒ぐシスター達を見上げ、今度は子供達も騒ぎ出す。


「セレンねぇちゃん、凄かった!あのデカいオジサン倒しちゃった!」


「僕も頑張る〜!セレンねぇちゃんみたいになりたい!」


震えていたのもなんのその。

順応力の塊みたいな子供達は、スッカリ怖かった思い出は吹き飛んでしまったらしい。


「────ハハッ!」


心を覆うモヤモヤは消え、私は思わず笑ってしまった。


後は自分の選んだ道へと一直線。ただがむしゃらに進むだけでいい。


私は直ぐにドルマ達に背を向け、ヘビネロ商会の者達に用意されていた護送馬車に乱暴に放り込んでいくルークの元へと走った。

そして、私に気付いたルークがこちらへ視線を向けてくると、私はその場で土下座をする。


「グリード家御子息のルーク様!この度はありがとうございました!

そして、図々しいお願いですが……どうか私を雇ってもらえないでしょうか!

孤児院での経験を活かし、掃除、洗濯、お使い、なんでもできます!どうか……よろしくお願いします!!」


「…………。」


ルークは黙って私を見ていた様だが、直ぐにククッという笑い声がしたので、顔をあげると────そこには楽しそうに笑うルークの顔があった。


「いいぞ!だったら俺の護衛として雇おうか!

ただ〜し!俺は強いからなぁ〜?今のままじゃ駄目だ。今以上に強くなる事が条件だが……どうする?」


「────!勿論、強くなります!誰よりも!!」


食い気味にそう宣言すれば、ルークはやはり楽しそうに笑ってくれて……私も気がつけば笑っていて、そのままルークを追いかけて走っていった。


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