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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第二章【セレンとアッシュ編】

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(セレン)40 人生終了〜……はどっち?

(セレン)


この重苦しい空気の中、ルークのあっけらかんとした声が響くと、それを聞いたドルマが、真剣な眼差しをルークに向けた。


「それは……もしや、ヘビネロ商会の者達全員の命を奪うおつもりでしょうか?……申し訳ありませんが、私は教会の者ですのでそれには反対致します。

全ての者に慈悲と更生のチャンスを……。

命を奪う事で、全ての問題を解決する事が必ずしも良い事だとは思いません。」


「なるほど。良い考えだ。」


ルークがあっさりと自分の考えを認めたため、ドルマは驚いたのか、ポカンと口を開ける。

すると、ルークはそんなドルマを見てニカッと笑った。


「それが教会の戦い方だ。

是非とも、これからも変わらず、その戦い方で脅威と戦い続けてくれ。」


「???な、何をおっしゃっているのでしょう?私共は戦う事など……。」


ドルマだけではなく、その場の全員がルークの言葉に首を傾げたが……次に続くルークの言葉に大きく目を見開いた。


「『優しさ』は、人の世で戦うための強力な武器だ。戦い方なんて一つじゃない。

生きるっていうのは、常に何かとの戦いの日々だからな。どう生きていくのか、それはどう戦っていくのかということだ。

自分に合う武器を探す事、それが人生の必須事項!お互い戦って戦って、エンジョイライフを送ろうぜ!」


ルークはヤッホ〜!と楽しそうに飛び上がり、言葉を失くしたドルマと他の皆の前で、最後にドンッ!と胸を叩く。


「俺の戦い方は拳一択!それには危険が絶えずついて回るし敵だって多いが、何事もメリットデメリットはあるから仕方がない。

デメリットを理解した上で、その武器を選ぶべし!

なんにせよ、一番大事なのは、自分でそれを選ぶ事だと思ってる。」


「…………。」


呆然としているドルマやシスター達だったが、その後ろからピョコッ!と子供達の顔が飛び出し、不思議そうな顔でルークを見つめた。


「ねぇねぇ、僕、将来お花屋さんになりたいんだけど、それも武器になる?」


「あぁ、勿論!ささくれた心を癒やす事で、悪いことを止めるヤツだっているかもしれないな。いい武器だ、頑張って手に入れろよ。」


「お嫁さんは?」


「いいじゃんいいじゃん。世で戦う夫を癒やし、時にケツを叩いて、更に未来ある子供を育成する……それはもう兵士長と変わらない仕事だな。」


ルークの語る話は独特で、なんだか違う様な気がしないでもないが……私の心をとても軽くしてくれる。

そして子供達や他の街の人達も同じだったのかもしれない。


なんだか目の奥に火が宿った様な気がしたから。


「……ぐ……ぐぐぐっ……!!く、クソっ……!」


ルークの話が終わって直ぐ、筋肉ダルマやヘビネロ商会の仲間達がポツポツと意識を取り戻し始め、元凶となったルークを一斉に睨みつけた。


「……て、てめぇ、今後どうなるか分かってんだろうな?俺達ヘビネロ商会は一生てめぇを追いかけるぞ?一生死ぬより辛い目にあわせてやるからからなっ!!」


「ほほ〜?一生……ねぇ?」


怒りの形相で怒鳴る筋肉ダルマを見て、ルークはニヤッ〜と笑いながら、ゆっくり近づいていく。


「あのさ〜そもそも、誰の許可とって土地代なんてモン取ってたわけ?ここの街ってお前が治めてたんだっけ?」


「ハンッ!そうだよ!!ここ一帯は俺達のモンだ!

こんなクソみたいな貧民エリア、領主のグリード家は早々に潰したくて、俺達に管理を一任しているんだよ!ゴミをなんとか使ってやってる俺達は優しいだろうが!

お前ら、本当にやっちまったよな〜?こんなガキに乗せられて、グリード家にもこれから目をつけられる。はい人生終了で〜す♡」


筋肉ダルマは、倒れたまま私達街民を見回し、鼻で笑う。


グリード家は、武に優れた伯爵家で、実に貴族らしい考えを持っている事で有名な家だ。

平民など自分のために働く道具としか思っておらず、それに優れていない者達は『弱者』。

価値はないと思っていると聞いていた。

この貧民街を好きに扱わせるのも、きっと対して役に立たないと思っているからだ。


以前挨拶に伺ったドルマを、門すら開けずに対応し、孤児院を『小汚い親なしゴミの巣窟』とまで言い放ったとコッソリ聞いて、それは真実であると思われる。


「……グリード家め……っ。」


憎しみと怒りに身を震わせると、ルークは筋肉ダルマの頭を容赦なく踏みつけた。


「ハハッ!じゃあ、今日でお前クビな〜!俺がグリード家の正式な跡取りってヤツだから。」


ビシッ!と親指を胸に当てて宣言するルークに……全員が叫び声をあげる。


「「「「はぁぁぁぁぁぁ!!!??」」」」


勿論私も驚き、慌ててその場に跪くと、他の街の人達も一斉に跪いた。

今まで炊き出しをしてくれていた使用人らしき人達も全員跪いた事から、間違いないらしい。


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