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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第二章【セレンとアッシュ編】

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(セレン)36 楽しみだな〜!

(セレン)


「お腹いっぱい!?ほ、本当に!?」


「やる!手伝う!ご飯食べたい!」


ワーワーと飛び上がって手を挙げる子供達を見て、シスター達は頭を押さえてため息をついた後、表情を引き締めルークを見つめる。


「おはようございます。もしかして、昨日セレンや子供達を助けて下さった方でしょうか?

孤児院を代表してお礼を申し上げます。私はこの孤児院を任されておりますドルマと申します。」


「おはようドルマ。俺はルーク。これからよろしく。

今日は突然の訪問で、すまないな。────で、早速悪いが、孤児院の庭を今日は使わせてくれないか?」


「────えっ?……え、えぇ、それは構いませんが、一体何を?」


ドルマに戸惑いながらもルークの申し出をOKすると、そのままドアの外に向かって叫んだ。


「じゃあ、皆、炊き出しを始めてくれ!ほら、子供達はお皿を持って並べ並べ〜。

食べ終わったら、他の人達にも配るからお手伝いよろしくな。」


「「「う、うん!!!」」」


途端にドアの外から臭ってくるスープのいい香りに、子供達はワッ!!と大喜びで外へと走っていく。

私や他の年長組の子や、ドルマ達は驚いて外を見た。

すると、そこには沢山の侍女や執事、シェフの格好をした者達がいて、スープが入っている大きな鍋や山積みの様に積まれている美味しそうなパン、肉の入った料理などがまるで出店の様に並んでいる。


「なんて事……。ルーク様は一体……。」


ドルマが呆然としながら呟くと、他のシスター達がササッ!と私の方へと近づいてきた。


「ちょ、ちょっと、セレン!昨日助けてくれたルーク君ってまさか……めちゃくちゃお金持ちなんじゃないの?!」


「どういう事よ!聞いてないわよ〜?!」


ボソボソボソ〜!と囁かれる言葉に、私もまさかこんな規模のお金持ちだったと知らず、首を横に振る事しかできない。


本当にルークは何者なんだろう……?


悶々と考えながらルークを見つめていると、私とバチッ!と目が合ったルークは、輝く様な笑顔を見せた。


「セレン、おはよう!ちょっと朝の用意が遅れちまってさ、すまんすまん。

昨日は疲れただろう?傷は傷んだりしないか?」


「あ、あぁ!と、特に問題ない!今日の朝のトレーニングだって倍にしたくらいだから!」


しどろもどろになりながら、なんとか答えると、ルークは嬉しそうに笑う。


「セレンは根性があるな。今度手合わせしてみようか。」


「────っ!ぜ、是非!!」


昨日のルークの動きを思い出し、目はギラギラと輝いてしまった。


ルークは強い。

だから、その強さを少しでも学べるチャンスがあるなら……私はそれに死ぬ気で飛びつく!


食い気味に返事を返した私を見て、やはりルークは嬉しそうに笑い「とりあえず食ってからな!」と言って、ドルマと一緒に外に出ていった。

それを直ぐに追いかけようとしたのだが……シスター達がニヤニヤしながら私を取り囲む。


「ふ〜ん……?なるほどなるほど〜。」


「あら?……あらあらあら〜?」


「へぇ〜セレンってば、ああいうのが……ねぇ?」


ニヨニヨ……。

ニマニマニマ〜!


「……なんですか?」


全員が揃って三日月型の目をして私を見てくるので、呆れて汗が一筋頬を流れていった。


「別に〜。」


「なんでもな〜い。」


目を細めて見つめる私に構う事なく、シスター達はツツ〜ン!と顔を背けたまま、外へ向かって出ていく。


「何なんだ?一体……。」


それを微妙な気分で見送った後、ハァ……と大きなため息をついて、私も外へ出た。


◇◇

「凄い凄〜い!」


「ねぇねぇ、本当にこれ、全部食べていいの?!」


子供達がダラダラと涎を垂らしながら、眼の前の豪華な料理を指差すと、ルークは大きく頷く。


「勿論いいぞ!沢山食べろよ〜。それが子供の仕事なんだからよ。」


ルークがそういった瞬間、子供達はガツガツと凄まじい勢いでご飯を平らげていった。

美味しい美味しいと頬を大きく膨らませている姿は、嬉しい反面少し悲しいモノでもあったのだろう。

ドルマは困った様に笑っていた。


「この様な施しを頂き、本当に感謝いたします。きっと精霊神様もお喜びになっているでしょう。

しかし、こんな大規模な炊き出し……もしかしたら大変な事態を起こすかもしれません。」


孤児院の子供達だけでなく、美味しそうな匂いに集まってきた貧民達にも景気よく炊き出しを配るルークが連れてきた使用人達を見回し、ドルマが眉を寄せる。


貧民街の人々も、孤児院の子供達同様、理不尽に吹っかけられる土地代に苦しみ、日々の食事さえ満足に取れてない人々だ。

そのため、現在は涙を流しながら渡された料理を食べているのだが、そんな姿をヘビネロ商会の者達が見たら……何をしてくるか分からない。

ドルマは、そのせいでルークの身に何かあったらと心配しているのだ。


「実は、現在孤児院は少々厄介な問題を抱えてまして……この善行を悪と捉え、酷い言いがかりや暴力に訴えてくる人達がいるかもしれません。

ルーク様、大変有り難いのですが、本日は直ぐにお帰り頂いた方が……。」


「ほほ〜う?なるほどなるほど〜?流石はシスター!ドルマは優しい人だな。」


ルークは笑いながら、ドルマの背中をバシバシ叩く。

そして、目を白黒させているドルマを前に……まるで悪の根源そのものの様な凶悪な笑みを浮かべた。


「クククッ。名付けて『炙り虫作戦』。

自分のシマとか言っちゃてる奴らが、こんな勝手許すわけねぇもんな〜?

俺は虫退治する時は、部屋の隅々まで香取戦闘の煙を入れて炙り出すのが好きでさ。びっくりして飛び出してきた虫から……プチリよ。ハハハ〜!楽しみだな〜!!」


「────??は……はぁ???」


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