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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第二章【セレンとアッシュ編】

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33 やるしかないか!

(ルーク)


「買い出しの時に街での話をよく耳にしますが、ヘビネロ商会の者達の中で突出した実力者の話は聞いた事がありません。

元々真面目に働かずに腐っていた者や、兵になる程の実力がない荒くれ者が集まってできた集団ですので……。

だからこそ、そんな貧民街から出ようとしないんですよ。

自分が一番の場所から出ずに、他人から奪って楽をしたいとしか考えがないので、多分上にのし上がりたいという向上心もないと思います。」


「……あ、そう。」


思った以上に情けない!


頭が痛くなってきて、こめかみを揉み込むと、今度はザムザが口を開く。


「……ただ、俺的には最近のヘビネロ商会の連中はおかしいと思います。

動きが突然活発化していると聞きますし……それに孤児院狙うなんて、リスクが高すぎます。

確かに子供は高く売れますが、ここまで派手に動けば流石に上が重い腰を上げて動くでしょう。

それに、今回孤児院からSSSランクの才能ギフトを持った子供が出ましたよね?

下手したら、教会の上層部も動くと思うんです。

そんな中で動くのは、おかしい気がします。」


「確かにそうだな……。」


ザムザの意見を聞き、俺は勿論セブンもサリーも頷く。


SSSランクの才能ギフトを持った子供は、原作の主人公であるリリス。


その才能は、この国を救うかもしれない才能ギフトであるため、基本リリスがいる場所を襲うのはリスクが高すぎるのだ。

何故なら、精霊というモノを崇拝している教会が、その愛し子とも言えるリリスが傷つく可能性がある事を防ぎたいはずだからだ。


「……でも、おかしいな。」


俺はボソッと呟いた後、目を閉じ、ゲームの内容を必死に思い出す。


原作では孤児院は襲われ、リリスの代わりにセレンが死んでしまった。

その事実にだけ目を向けていたのだが、そもそもリリスの才能が分かり次第、教会がその身柄を確保していてもおかしくない。


なのに教会が動きだしたのは、その事件の後。


身寄りを全て失くしたリリスは、教会を心から崇拝している男爵家の養女になって、それから試験免除で聖グランド学院の特待生になるはずだ。

王族に……という話もあったそうだが、まだリリスの力を疑う者達も多く、更に平民という身分に嫌悪感を現す貴族達も多かったため、とりあえず男爵家という地位に置かれたのだ。

何やらいろんな勢力があって、いろんな思惑が渦巻いているらしい。


「────そのSSSランクの才能ギフトのヤツについては、どう噂されてるかわかるか?」


「はい。噂というか……街に結構な頻度で来ている様なので、皆よく知っています。俺も見たことあります。

外見の可愛らしさから、街の若い連中は喜んでいますし、率先して困っている人を助けたり、回復魔法を掛けてくれたりしていて大人気ですよ」


「……へぇ〜。」


思わず目を細めて、呆れ果ててしまった。


あの女、随分と表と裏の顔が違うみたいじゃねぇか。


嫌なモンを見た時の様に苦々しい顔をしていると、サリーの方はザムザと違い多少の不快感を雰囲気で出した。


「……私は、正直あまり好きになれない様な感じを受けました。

男性には愛想がいいのですが、女性だけしかいない時の態度があまりよくないとも聞きます。

ただ、これはあくまで噂ですので、参考になさらず……。」


控えめに伝えてきたサリーには、心の中で見る目があるぞと褒めておく。


「貴重な話をありがとう。────で、突然なんだが、明日の朝孤児院で炊き出しをしたいんだが、できるか?

孤児院の子供達だけじゃなくて、近くの貧民街の者達にも配ってほしいんだ。」


「はい、それは問題ありません。資金の方も潤っているので、毎日でも大丈夫ですよ。」


俺の突然の頼みでも、セブンは直ぐにOKを出してくれて、直ぐにサリーとザムザに命じて、食料の調達を頼んでくれた。

それを見送り、俺はポクポクと明日の事を考え────ニヤッ〜と笑う。


「とりあえず、下から崩していきゃ〜その内辿り着くだろう。これから楽しい楽しい青春ってヤツを送るため、いっちょやってやるか!」



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