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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第五章【入学院テスト編】

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(カーター)109 これからの事

(御者の男:カーター)


皆、使用人兼愛人さん達には散々な目にあってたもんね。

ウキウキして働いているのはそのせいだ。


御者も僕以外に沢山の人達がいたのだが、殆どがその愛人枠(?)で、見た目麗しい美女やイケメン御者もどき達は、旦那様と奥様がお出かけする際に馬車内を盛り上げる役目だった。


『おいっ!もっとゆっくり走れないのか!?奥様が乗りにくいだろうが!』


『ちゃんと馬の世話をしておけよ〜?糞の世話は俺の様なイケメンの仕事じゃないんでぇ〜!』


『馬車が汚れているんだけど!ちゃんと掃除しなさいよね!隅から隅まで掃除しないと、ルストン様にいいつけるから。』


フッと頭を過るのは、口しか動かさない愛人枠の御者もどき達達の姿。

でもこれでも執事や侍女達よりマシだったみたいで、真面目に仕事をしていた人達の体力と精神値は日々ゴリゴリと削られていった。


少しくらいザマァ!って思ってもバチは当たらないはず!


フンフン!と鼻息荒く怒っていると、セブン様は少しだけ端を上げてまた話し始めた。


「ルーク様についてだが、今までルストン様は社交界デビューさせない理由として『静養のため』と周りの貴族達に言いふらしていた様だ。

恐らくだが……ライアー様とスティーブ様に跡を継がせたいとお考えで、その際ルーク様にを除外する理由として使おうとしていたのだと思う。」


「なるほど。確かにそれなら筋は通りますからね。戦えない者にグリード家を継がせることはできないと、そういう事にすれば自然だ。」


ザムザさんが納得する様に言うと、セブン様はコクリと頷く。


「最悪の場合、亡き者にとも考えていたのかもしれない。実の子供相手に、流石にそれはないと思いたいが……。

しかし、今やそんな理由でルーク様は隠せなくなってしまったため、ルストン様達にとって、これはよくない状況だ。

そして、現在は冷静な判断力も欠いている状態……私は正気に帰る前に、できうる限りの対策をしようと思う。」


「一体どうするおつもりでしょうか?」


サリーさんが手を挙げ尋ねると、セブン様はニヤァ〜!とルーク様そっくりな凶悪な笑みを浮かべた!


「まずルストン様を捨て……おっほん!送る場所として、私はナイル様の所がいいと考えている。

ナイル様はルストン様の実の弟君であり……共に人に言えぬ様な暗い思い出を共有する仲間でもある様だ。

まぁ、あくまで私がここに就任する前に聞いた話だから、確証はないがな。」


「……あ〜。」


<ナイル>様のお噂は、平民の僕でさえ知っていて、その理由としては……まぁ、いい話ではないとだけ言っておこう。


ヤレヤレ〜!と大げさに肩をすくめている間にも、セブン様は話を続ける。


「ルストン様を見捨てれば自分の悪事を暴露される恐れがあるため、ナイル様はルストン様を必ず囲ってくださるはずだ。

その際は必ず家族総出でナイル様の元へと行かれるはずだから、それには理由が必要になる。その理由は────……。」


「『静養していた息子のルーク様が元気になってきたので、自領の一つであるこのアクアドリムを任せてみる事にした。』って所ですかね?」


「それならこの街から徴収できる税や国からの管理費諸々は、ルーク様が貰える事にできますからね。」


ザムザさんとサリーさんがいち早く事情を察知し、目を輝かせて言う。


確かにそれなら理由としては十分、現当主としてのプライドだって保てる。

グリード家は戦闘系の能力に特化した由緒正しき伯爵家であるため、跡継ぎ教育として厳しい試練を与えた……なんていうかっこよさげな言い訳にできるし、領の管理ができなかった場合は、跡継ぎ失格!とばかりに正面切ってコチラを攻撃する事もできるというわけだ。


うぬぬ〜姑息なヤツめ!


ルストン様の心の内は、多分この場の全員、同じ事を考えていたのだと思う。

皆渋い顔をしていたから。

セブン様も眉を寄せて若干不快そうな顔をすると、一度咳払いをして注目を誘う、


「そのとおり。これならルストン様も納得されるだろうと思う。

領の一部をルーク様へ。その他諸々もついでに練り込んだ誓約書にサインさせ、直ぐにでもナイン様へ連絡を取るつもりだ。

その際はカーター、君にナイン様の領まで届けて欲しいのだが……頼めるか?」


「────は、はいっ!勿論です!お任せ下さい!」


突然の指名に、ビシッ!と背筋を伸ばして返事をすると、セブン様はまたもや凶悪な笑みを浮かべ片手で顔を覆った。


「ク……クックックッ……時は来た。

あの無能な歩く下半身ゴリラの様なクソ主人に反旗を翻すこのチャンス、逃すものか……!

これは今まで虐げられてきた我々にとって絶好の復讐のチャンス!

ルーク様、万歳!!

己を苦しめてきた我々の様な卑しき豚野郎共に赦しを与え、更にこんなチャンスまでお与えになるとは……我らが神!ルーク様ぁぁぁ!!」


突然ワッ!と泣き出したセブン様に釣られる様に、他の使用人達もぐすんぐすんっ!と泣き始め、「ルーク様ぁぁぁぁ〜!」「あ”り”がどう”ござい”ま”ずぅぅぅぅ〜!」と泣き叫ぶ者達まで……。

僕は呆れ────る事なく、「る”ーぐざま”ぁぁぁ〜万歳ぃぃぃ!!」とやっぱり流れに乗りに乗って泣き叫んでいた。


それからセブン様率いる使用人達の行動は非常に早かった。


セブン様は契約書をあっという間に作成し、まだボンヤリしているルストン様にペンを無理やり握らせ、怒涛の説得という名の洗脳を開始しサインをもぎ取ると、そのまま速やかにナイル様へ連絡。

チクリチクリと徹底的に調べあげた昔話を会話に混ぜ込み、これまた無理やり了承を得ると、他の使用人達は迅速に荷物を整理し始める。


その荷物を詰めている間、ガシャン!ガシャン!という破壊音が聞こえたのは気の所為気の所為。

それを馬車に取り付けてある<次元収納庫>へと詰め込む際、さり気なく爪痕がついちゃったのも些細な事故だと思っている。


<次元収納庫>

次元袋同様、違う次元に空間を作り、それと収納庫の入口を繋げた魔道具の一つ。


そうして、さっさかさっさ〜!と続けてルストン様達を馬車に乗せ、僕は馬車を発進させ、ナイル様の領へと急いだ。



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