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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第四章【サマナイズ編】

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102 バレバレだからな

(ルーク)


《ジョアンッ!!!》


ローレンの悲鳴が聞こえたが、ご安心を……ジョアン達の前には既に俺がいるから大丈夫!


《…………ジャッ……??》


口に触れるはずのジョアン達の肉の感触はなく、寧ろ全く前に進めない事を不思議に思ったのか、黒いヘビは真っ赤に充血している目をギョロギョロと動かし、自分の口の先を見る。

するとそこにはジョアン達の前に立ち、牙を片手で掴んでいる俺の姿があり、その大きな目を見開いた。


「────よう。お前さ、食いすぎじゃね〜の?なんでもバカスカ食うなよ、迷惑だから。」


《…………っシュッ!!!》


ヘビが俺をギロッ!と睨み、そのまま消化液を大量に吐き出そうとしたので、牙を掴んでいる手を横に軽く動かす。

すると、ヘビの顔は大きく横に向き、消化液は内部へと逆流、そして牙はバッキリと折れてしまった。


《シャッ……っ……ガァァァァァッ!!!》


ヘビは口から大量の血を吐き出しながら、憎しみのこもった目を俺に向ける。

そして直ぐに体を回して、尻尾で俺を薙ぎ払おうとする────が、それもなんなく止めてやった。


《…………っ!!》


それで実力の差を理解したのだろう。

ダラダラと汗を掻いて本能的な恐怖を感じ始めた様だが……もう遅い。

俺はヘビの胴体を掴み、その巨体を軽々と空に向かって高く投げ飛ばした。


「楽しんで人を食っていたんだろう?その目を見れば分かるさ。

食べる事自体を楽しんでいたのか、それとも『他』を楽しんでいたのか。」


根本は人間と同じ。                 

きっとコイツは生きるために食べていたのではなく、ただ()()()()()()()()()()、わざと苦痛を与えるためにゆっくり味わって食らっていただけだ。


そういうヤツにとって赦しは、残念ながらさらなる被害者を増やすための行為でしかない。

ポカンとしているジョアンとフェイスをその場に置いて、足に力を入れて空に打ち上げられた黒いヘビ目掛けて飛び上がった。


《……っ………っ!!!?》


「じゃあな、次はもう少しまともな性格で生まれ変われるといいな。」


目を見開いた黒いヘビの瞳には、大きく拳を後ろに引いている俺が映っている。

そしてそこに映る俺が拳を前へ突き出した瞬間、ヘビの体は『パンッ!!』という大きな破裂音と共に跡形もなく飛び散ってしまった。


「────っ!!?」


《…………っ!??》


言葉なく呆然と立ち尽くしているジョアンとフェイスの元へ着地して戻ると、俺は綺麗に晴れ上がっている空を指す。


「新たな門出を祝うには汚い花火になっちまったが……ま、いっか!」


「い、一撃で……。ル、ルーク殿、アナタは一体────。」


何か言いたげな顔をするジョアンだったが、スクリーンの中から一斉に聞こえた街の人達の『ワッ!!』という歓声のせいで、声がかき消される。


《よっしゃぁぁぁ!!凄いぞ!ローレン様!ジョアン様!そしてなんだかスゲェ人達!!》


《ありがとうぉぉぉぉ!!独裁者から開放されたぞぉぉぉ!!》


《うおぉぉぉぉぉ!!ローレン様万歳!ジョアン様万歳!!なんか強い人達!!ありがとうございますぅぅぅ!!》


涙を流しながら抱き合っている街の人達は、今度はワーワーと泣きながら大騒ぎだ。

当分落ち着きそうにない。


「いいねいいね!俺、うるさいくらいが大好き!あぁ〜酒のみてぇな〜……。」


ついこの間まで毎日の様に飲んでいたお酒の味を思い出し、グスン……と鼻を啜ると、突然ジョアンの隣でふわふわ浮いていたフェイスが俺の方へ飛んできた。


《ねぇねぇ、お兄ちゃん人間?人間?》


「はぁ〜?何言ってんだ、お前。俺、人間人間。モンスターかなにかに見える〜?」


しつれいな事を言うフェイスの頭を、人差し指でクリクリと撫で回してやると、キャーキャーと擽ったそうにした後、俺の周りを飛び回る。


《あのねあのね〜?なんか、凄くキラキラしているの。眩しいねぇ〜?

それに、もしかして魔力凄いのかな?全然中身が見えないからわかんないんだけど……さっき沢山くれたからここまでの道ができたんだと思う。

でもでも、精霊を召喚するなんて、人間一人じゃ不可能なはずなんだけど……?》


「え、そうなのか?でもさ、俺、魔法使えないんだよねぇ〜。想像力が貧困だからか?」


自分の魔力が如何ほどかは不明。

しかし、使ってみたいな!魔法〜♬────って事で、俺なりにこの半年間頑張った。

…………ほんとにほんとに頑張った!

しかし、どうにも上手く使えず、結局拳一択で戦っているというわけだ。


セレンはまだしも、アッシュなんて魔法が使えない俺に見せつける様に魔法を使って、ニヤニヤしているし……あ、なんかムカついてきたから、後でゲンコツしてやろう。


水の魔法でシャボン玉の様なモノを作り出し、足でポンポン蹴りながら俺をチラ見するアッシュ、その顔はチェシャ猫の様!

その顔を思い出し、自分の拳に息を吐きかけゲンコツの準備をしてると、フェイスは大きく首を横に倒した。


《んんん〜???でもでも、ジョアンについてる変なの、アナタのじゃ……?

…………ま、いっか!ねぇねぇ、私の加護いる?つけといてあげようか?》


ニコ〜!と朗らかに笑ったフェイスは、とんでもない提案をしてきたが、俺はフッ!吐息を吐きかけ、ジョアンの方へと飛ばしてやる。



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