3 試合観戦デート お昼ご飯編
「ほら、ここ! ちょうど歩いていける距離だよ」
画面を覗き込むと、確かに可愛らしい外観のカレー屋さんが表示されている。ももがそんなお店を調べていたことに、俺は少し驚いたが、それ以上に、ももが積極的にデートを楽しもうとしてくれていることが嬉しかった。
「へぇーいいね、行ってみようぜ!」
俺が言うと、ももは嬉しそうに頷き、スマホの地図を頼りに歩き始めた。
ももがスマホの地図を見ながら案内してくれて、俺たちは有名だというカレー屋さんに到着した。こぢんまりとした可愛らしい雰囲気で、店内にはスパイスのいい香りが漂っている。
席に案内され、メニューを開くと、色々な種類のカレーが並んでいた。どれも美味しそうで迷っていると、ももが
「私は、テレビで紹介されてたチキンカレーにする」
「じゃあ、俺もそれにするかな」
俺はももと同じチキンカレーを頼むことにした。店員さんに注文を伝えると、ももが嬉しそうに微笑んだ。
しばらくすると、湯気を立てたカレーが運ばれてきた。スパイスの香りが食欲をそそる。
「わー! いい匂い、いただきます!」
ももが目を輝かせながらスプーンを手に取り、一口食べる。
「んー! 美味しい、思った通りだね!」
ももは満面の笑顔でカレーを頬張っている。その幸せそうな顔を見ていると、俺まで嬉しくなった。俺も一口食べると、深いコクとスパイスの香りが口いっぱいに広がり、思わず唸ってしまった。
「うまっ! これ、本当に美味いな!」
ももは「でしょー!」と得意げに笑った。二人で美味しいカレーを囲んで、試合の感想を話したり、他愛もない話をしたりしながら、楽しいランチタイムを過ごした。
美味しいカレーを堪能し、お腹も心も満たされた俺ともも。午後の日差しが差し込む店内で、食後の余韻に浸っていた。
「はー、美味しかったね」
「ああ、本当に美味かったな。ももが見つけてくれたおかげだ」
俺がそう言うと、ももは照れたように笑った。
「ねえ、しゅん、この後、どうする? まだ時間あるよね?」
ももが俺の顔を見て、きょとんとした顔で尋ねてきた。せっかくのデートだ。このまま帰るのはもったいない。俺は、少し考えてから、良いアイデアが浮かんだ。
「そうだな。せっかくだし、この後、デザートでも探しに行かないか? この辺り、可愛いカフェとか、スイーツのお店も結構あるんじゃないかな」
俺が提案すると、ももの顔がパッと輝いた。
「おっデザート! 行く行く、やっぱ食後はデザートだよね」
ももは、本当に嬉しそうに飛び跳ねた。その反応を見て、俺も嬉しくなった。美味しいカレーの後には、やっぱり甘いものが欲しくなるよな。