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天声だだ漏れ転生〜女神の温もりと共に〜  作者: 白銀鏡
【第一部】 第三章 希望と共に
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最終話 希望

ありがとうなラキ。

カガミも鏡も、この子には感謝の言葉もありません。

天声だだ漏れ転生、第一部の最終回になります。


希望


どうぞご覧ください。

 絶望に満ちた俺を、ギュッと抱きしめていたラキは、やがてその手をそっと離した。

 彼女の笑顔に、少しだけ救われた俺だったが、状況は何一つ変わっていない。


(さて——これから、どうしたものか……)


『さあ? とりあえず今は、新しいギルバディアの街でも回ってみましょうよ!』


(お前なぁ〜……)


 ラキは相変わらず、次なる新しいものに目を向けていた。


 彼女の背中を追いながら少し呆れる俺だったが、確かに今、俺たちにできることはない。


 マルクの元に飛ぼうにも彼の気配はわからない。逃げ延びた民も、傷つき気を失っているルミナもルキも、俺にはどうすることもできない。


 今できること——それは次なる戦いに向けて、この世界の事をもっと知る事だ。


『ふふふ〜ん♫』


 街を彷徨い呑気に鼻歌を歌っているラキの横で、俺はさらに考え事をする。


 ——今回の敗因は、やはり俺にある。

 皇帝の力を読み違え、見誤り、皆を出撃させてしまった。


『——カガミさん見て見て! おっきな噴水ですよ!』


 奴が放った、“転生者”という言葉も気になる。

 アリステラがどうとかも言っていたし、この世界には、俺の他にも転生者ってのがいたのか?

 それに、度々見たあの変な夢の正体もわからない。


『——バルナと違って、大きな街ですねぇ。流石、大国ギルバディア! 昔を思い出します♫』


 やはりいくら考えても、謎が謎を呼ぶばかりだ。傷ついた二人の事もまだまだ気になるし……はぁ、絶望的だ。


 考えれば考えるほど、視界が狭くなっていく。

 ——すると、俺の視界の外から喝が入った。


 パァン——!


(うぉ⁉︎)


 隣には、俺の後ろを叩くラキの姿。


『私達、死んでるんですよ? もっと気楽にいきましょう!』


 彼女には、俺の不安はだだ漏れだった。


(はは! そうだったな。)


 下を向く度に、ラキはいつも希望をくれた。こんな絶望だらけの世界だって、彼女がいてくれたら俺はなんだってできる気がした。


 今は、臆せず待とう——。


 ”この物語は、ハッピーエンドで終わる”


 それだけは間違いないんだ。

 きっと何度も、壁にぶつかると思う。下を向いてしまう時もあると思う。

 それでも、この希望を内に据え、俺は俺の物語の世界で戦う事を、そっと心に決めた。


『カガミさん! あの人は一体⁉︎』


 またラキが、新しい何かを見つけた。


(おい、待てよラキ——)


 神を名乗っていた創造主は、新たな希望と共に、次なる舞台、ギルバディアの街へと溶け込んでいくのだった——。

ここまでのご愛読、本当にありがとうございます。

もちろんラキだけではありません。

皆様には本当に感謝しております。

そして、だだ転シリーズの記念すべき第一部は、これにて終幕です。


次回からは、作者が心待ちにしていたギルバディア編。

これからたくさんの出会いが待つ、作者一押しの物語になっております。

この物語はまだまだ続いていきますよ〜

広がれ!私のだだ転ワールド!!!


次回の事については近いうちまた告知させていただきますm(_ _)m

以上、白銀鏡でした。


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