プロローグ ヴァルハラウォーズ
初めに。
これは私が思いついたことやこうしたら面白そうなど一応創作で作ったつもりです。
ただ、小さなころからいろいろな漫画やアニメ、小説を読んで育ってきていますのでパクリではないかと思われる設定や内容も正直あります。
また小説を書く、というほど文章が得意なわけではありません。お見苦しい記述や読みにくさもあるかとは思いますが、温かく見守っていただけたらと思います。
多分ですが、小説というより漫画のプロットだなと思われる方が多くなるかもしれません。
楽しんでいただけたら光栄です。応援してくれたらうれしいです。
作りためておいたものを1日1話くらいで出す予定でしたが、早く読みたいとの声も頂いたため、出来る限り一気に提供したいと思います。
よろしくお願いします。
らいもん
この世には万を超える数の神々がいる。
その全ての頂点『神王オーディン』は己の死期を悟り、次期神王を決めるべくヴァルハラウォーズの始まりを宣言した。
各々の神は野望を心に秘め、次期神王になるべくヴァルハラウォーズへと参戦し各地で戦いを繰り広げる。
しかし、未だヴァルハラウォーズに参戦しない神もいた。
王となる事に興味のない者。
戦いを好まない者。
トップに立つ器ではない事を悟る者。
理由はさまざまだったが、神トールもまたその一人であった。
「トール。オーディン様を1番慕うあなたがなぜ参戦しないの?」
赤胴の胸当てを付け、鼻まで隠れる黄金の兜から赤毛のロングヘアを靡かせたその女性は、つまらなそうに寝転んでいるその男に大きな声で尋ねた。
「くどいぞリリム。」
黄金の鎧を付け、同じように鼻まで隠れる兜をかぶったトールと呼ばれるその男は、寝転んだままその女性を見ることもなく応える。
神々の世界では基本的に素顔は晒さず兜で隠れているのが通常である。
「俺はジジイがいたからここまでやってきた。ジジイのいない世界に興味など無い
誰が王になろうとどうだっていいんだよ。」
リリムは腕組みをしながらトールを見下し、やれやれといった感じでふぅとため息をついた。
その時、ボンっと煙が湧いてどこからともなく少女が現れる。
大きな麦わら帽子に金髪おさげの少女、彼女は神王オーディンの付き人ソフィアだ。
「トール様こちらにいましたか〜。」
にこにこと手を振りながら、ソフィアはてくてくとトールの方に近づいて来た
トールはチラッと一瞥してまた遠くを見つめる。
「なんの用だ?俺はヴァルハラウォーズには出ないぞ。」
ソフィアはニコニコと笑顔を見せながら寝転ぶトールの横にちょこんと座り、耳元で小さな声で囁いた。
「オーディン様、そろそろ危ないよ〜。最後に用があるからトール様を呼べってさ〜
…ってあれれ〜?」
すぐそこにいたはずのトールはいつの間にかそこにはおらず、すぐそばには青い顔をしたリリムのみが立っていた。
…
ここは神王の居城。その玉座に座るオーディンはふと目を開いた。
「来たかトール。」
「ジジイ…。」
ゼェゼェと荒い息をしていたトールは、オーディンの顔を見てホッと息をつく。
「元気そうじゃないかジジイ。タチの悪い嘘までついて何の用だ?
ヴァルハラウォーズに参戦しないのかという質問だったらもう聞き飽きたぞ。」
オーディンはそう言うトールを一目見ると、ため息をつきやれやれと頭を振った。
「儂の亡き後のことを考えると悩みが尽きぬ。我が宿敵ゼウス率いる3大神の存在。この期にと不穏な動きをするやつもおる。
だが多くの血を流さずしてこの世は保つことができぬ。トールよ。儂は主こそ我が意志を継ぐ者と信じておる。それだけ分かっておればよい。」
オーディンはどこか寂しいような目をしていた。
あの、恐ろしいまでの威圧感を持っていたオーディンの姿からは想像のできない姿にトールは目を背ける。
「チッ。用がないなら俺は帰るぞ。ジジイが元気ならそれでいい。」
バッとマントを翻し、トールは立ち止まる事なく居城から去っていった。
目を細めながらその後ろ姿を見送ると、オーディンはパンパンと手を叩く。
「ソフィアよおるか?」
「もちろんですよ〜。」
「あやつは必ずこの戦いに参加する。その際は、頼むぞ。」
「え〜、私苦手なんですよあの人…。」
オーディンはニッコリと笑い、ソフィアの頭をぽんぽんと撫でる。
ソフィアは頬を赤らめながら口を尖らせ、煙の中に消えていった。
「やれやれ。」
オーディンはひと息つくと天を見上げ、また目を細めた。
…
その夜、オーディンは何者かによって惨殺される。
オーディンの納めていた世界は崩壊への一途を辿り、ヴァルハラウォーズは激化し、多くの血が流れる戦いとなっていった。