You wish you were
鳥になりたいと君は言った
大空を舞い自由に気づかせてくれるような
囀りで朝の訪れを知らせてくれるような
星になりたいと君は言った
月のない夜にもそっと希望をくれるような
言葉にならない感動をくれるような
希望を語るはずのその瞳には
隠しきれない諦めが滲んでいて
どうせなれないと知っていると
そう語る横顔に僕はーーー
猫になりたいと君は言った
自由な姿が肩の力を抜いてくれるような
困難にも可愛げを与えてくれるような
雲になりたいと君は言った
強すぎる光から守ってくれるような
平等に恵みを振らせてくれるような
憧れを語るはずのその瞳には
隠しきれない嫌悪が滲んでいて
どんなものにもなれない私はと
君の言えない叫びに僕はーーー
私がいなくなることでもしも世界がほんの少しうまく回るなら
それなら消えてもいいのかなって
自分なんてそんなもんだよと笑う君に
僕は言おう
確かに世界は君を知らない
君の喜びも悲しみも怒りも虚しさも
何もないのと何が違うと
そんな世界の無関心が君の存在を削るなら
君の声を知る僕が言おう
君がいることで僕の日々はほんの少しだけ上手く回るから
どうか何者でもない君のままで
僕の隣にいてくれないかと
君の心は見えないけれど
驚いたような君の瞳に小さな光が見えたから
僕も僕のままでいてもいいんじゃないかって
そんなことを思ったんだ