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第十八話

 刀夜の部屋を出た徹也と治伽は、訓練場ではなく書庫に向かって歩いていた。午前は魔法の訓練なので、徹也と治伽には書庫に行く許可が出ているのだ。


 刀夜の部屋を出てからしばらくは徹也も治伽も黙って歩いていたが、治伽がその静寂を破る。


「……話して、良かったわね」


「……ああ。流石、先生って感じだ。……俺達の先生があの人で、本当に良かった」


「ええ。本当に……」


 徹也と治伽は先程の刀夜との話について語る。徹也も治伽も不安だった。この世界で、本当に生き抜けるのかどうかが。だが、刀夜の話によって、幾分かマシになったのだ。


 自分達には、頼りになる先生がいる。俺達の為に、戦ってくれている先生がいる。それが分かったのだから。


「……でも、やっぱりあまり迷惑はかけたくない」


「……そうね。先生のことだから、他の生徒達にもあんな感じでしょうし……」


 徹也と治伽はそう言って、どうしても刀夜の力が必要になる時以外は、あまり頼りにしないことを決めた。ああ言われても、やはり負担をかけたくないのだ。自分達の大切な先生なのだから。


(……っていうか先生で思い出したけど、あの時の先生、綺麗というかなんというか……。とにかく、美しかった。……危うく、惚れてしまうところだった……)


 徹也はそう思って、刀夜に頭を撫でられた時のことを思い出す。あの時、刀夜には見えなかっただろうが、徹也の顔は真っ赤になっていた。


 だが、徹也と刀夜は生徒と教師である。刀夜も教師として自分に言ったのだと、徹也は自分に言い聞かせ、心を落ち着かせたのだ。


 その時のことを思い出してしまい、また徹也はドキリとした。そんな徹也の心中などつゆ知らず、治伽は徹也に話しかける。


「……才無佐君?どうしたの?」


「っ!?あ、ああ。いや、な、なんでもない……」


「なんでもない、って……。随分、考えていたようだけど……」


「ちょっとな……。それより、もう書庫に着くんじゃねえの?」


 徹也の言う通り、徹也と治伽が歩く廊下の先にはもう書庫の扉が見えている。治伽は露骨に話を逸した徹也に呆れつつも、追求することはなかった。重要なことならば言うと思っていたし、あまり顔にも出ていなかったからだ。


「それはそうだけど……。はあ……。もういいわ。早く書庫に入って探しましょう」


「そ、そうだな」


 徹也は話を逸らせたことを喜びつつも、書庫の扉を開ける。すると、昨日書庫に来た時と同様に、多くの本が目に映った。それを見て、徹也と治伽はまた憂鬱な気持ちになる。


(何度見ても、絶望しか感じねえな……。これ……)


 徹也そう思い、ため息を吐く。治伽もまた徹也と同様に、ため息を吐いていた。


「じゃあまあ、探しますか……。……ん?」


「どうしたの?才無佐君」


 治伽が徹也の言葉に反応し、徹也が見ている方を見る。徹也と治伽の目線の先には、椅子に座って本を読んでいる金髪ロングの少女の姿があった。


読んでくださりありがとうございます!

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