0:プロローグ
(どうして・・・どうしてこうなった!?)
男は夜の森を走る。雨が降り、暗く、視界も悪い。その姿は焦り、困惑している。
「逃がすかぁ!」
「待て、コラァ!」
少し離れたところから数人の男たちの怒号が聞こえてくる。
(ヤバい!ヤバい!捕まりたくない!山賊なんかになりたくない!!)
後ろを気にしつつ、逃げる。距離はそこまで離れていない。
「うぉっっっ!?」
足を滑らせ、数メートル崖下へ転がり落ちていく。
「つぅっ!」
脇腹を痛めたようだ。
(どうしよう・・・どうすればいい?)
辺りを見回す。ふと、明るくなっている場所があることに気づく。
(人がいるかも、助けてもらえるかもしれない。)
痛みに耐えながら、光を目指す。
光を追い、辿り着いた場所にあったのは洞窟だった。中は暗い。
(あれ?さっきの明かりは?脇腹が痛い。寒い。疲れた。休みたい。)
男は洞窟に身を潜め、休むことにした。
(あー、どうしてこうなったんだろう・・・)
これまでを思い返す男。洞窟の奥でふっと影が揺らめく。男はこれまでの疲労から、その影に気付かず、気を失うように眠りにおちていく。
はじめまして!
読んでいただきありがとうございます。
初めて書いてみたので、感想・評価等いただけるとありがたいです。