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瑠璃と百合と姫と魔女  作者: 山原くいな
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3

「にしてもびっくりしたわよ。ラピスちゃん、川辺に打ち上げられてたんだもの」

「え?」


初めて聞く情報に頭が混乱する。


「髪はボロボロドレスもズタズタ、怪我も結構酷くてね、最初は正直水死体かと思ったわ」

「そ、そんなにですか……」

「ええ。いやァ、この歳になると大抵のことでは驚かなくなるけど、あれは驚いたわね」

「この歳って……」


じろじろとリリィを見る。どう見ても20歳くらい。もしかすると10代かもしれない。どんなにいってても20代後半だろう。


「リリィさん、若いじゃないですか」

「お、嬉しいことゆってくれるわね。じゃあ問題! あたしは何歳でしょうか?」


唐突に始まったクイズにラピスは考える。が、判断材料など見た目しかないのだから見たままを素直に言った。


「20歳くらいですか?」

「ふふ、そんなに若くないわよ。もっと上」

「えっ?」


外れてしまった。しかしリリィは答えを言う気はないらしく、ニヤニヤとこちらを眺めている。なら次を答えるしかない。しかし、高く答えるとあまりにも失礼なのでここは慎重に──


「25歳、でどうでしょう?」

「だからそんなに若くないわよ。もっと、もォっと上よ」

「あう。……わかりません、降参です」

「んー、当てて欲しいんだけどなァ……。じゃあヒント! ラピスちゃんの答えは桁が二つ違います!」

「桁……。………。…………桁!?」


予想外のことすぎて、一瞬何を言っているのかわからなかった。

言葉を聞き、咀嚼し、理解する。これだけのことに異常に時間がかかった。

それよりも、だ。


「え、じゃあリリィさん、千歳代ってことになりますけど!?」

「残念、六千歳代よ」


六千歳代なんて言葉、初めて聞いた。


「ここまで来たらもう言っちゃうわね。あたしは今年で6332歳よ♪」

「………」

「はい、嘘だと思ってるあなたに、あたしの職業に関するスペシャルヒント♪」


そう言って彼女は(おもむろ)にベッドの下に手を伸ばし、そこにあった物を頭に被った。

それは真っ黒な帽子だった。つばの部分がやたらと広く、中央が尖っている。一言で表すなら、そう──


「──魔女?」

「正・解♪」


リリィは艶然と微笑んだ。

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